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ちいさなこいのぼりのぼうけん(2歳~,絵本,行事)

作:岩崎京子 絵:長野ヒデ子 出版:教育画劇

保育園で子どもたちが折り紙で作ったこいのぼり。

子どもたちが帰ったあと、大空へと泳ぎだします。

空では鳥たちの交通整理をして大活躍。

でも、帰り道に雨が降ってきて・・・。

目次

あらすじ

保育園で子どもたちが折り紙のこいのぼりを作っていました。

先生が折り方を教えると、みんなも色とりどりで個性豊かなこいのぼりが完成です。

先生は、出来上がったこいのぼりを保育園の壁に飾ってくれました。

子どもたちが帰ったあと、静かになった部屋に窓から風が入ってきました。

その風を受け、こいのぼりのひれやしっぽが揺れ始め・・・

なんと、壁に貼ってあったコイたちが、風に乗って部屋の中を泳ぎ始めたではありませんか。

コイたちは、さらに広いところへ行きたくなり、窓の隙間から飛び出して大空へ泳ぎだしました。

折り紙のコイたちは、保育園のこいのぼりへ挨拶するともっと遠くへ。

街の上を泳ぎ始めました。

コイたちが街の景色を楽しんでいると、前からツグミの群れが飛んでくるのを見つけました。

同時に後ろから飛んでくるコチドリの群れも。

このままでは正面衝突してしまいます。

そこで、コイたちは鳥たちの交通整理を始めました。

先にコチドリを止めて、ツグミを通します。

こうして、無事に鳥たちの正面衝突を防いだのでした。

ひと仕事終え、そろそろ保育園に帰りたくなってきたコイたち。

ところが、いつの間にか空に雲が広がっていて、雨が降り始めてしまいました。

雷まで鳴り出し、雨も強くなってきたから大変です。

濡れて重くなったコイたちは、ウロコの色がはげ、どんどん落ちていきます。

と、その時、さっきのツグミとコチドリがやってきて、コイたちの上でピッタリ重なり傘を作ってくれました。

さっきのお礼をしにきてくれたのです。

鳥たちが濡れるのを防いでくれているうちに雨はやみ、おひさまが顔を出しました。

すると、空には大きな虹が。

鳥たちに別れを告げたコイたちは、保育園へと帰ります。

その帰り道、虹をくぐると不思議なことに、コイたちのはげた色がもとに戻ったではありませんか。

きれいになったコイたちは、保育園の窓から部屋の中へとすべりこんだのでした。

おしまい!

『ちいさなこいのぼりのぼうけん』の素敵なところ

  • 折り紙のコイが本当に空を泳ぎ冒険する、ロマン溢れる物語
  • コイたちの大活躍と大ピンチにワクワクドキドキ
  • 先生の解説付きこいのぼりの折り方で、見たあとすぐに自分のこいのぼりが作れる

折り紙のコイが本当に空を泳ぎ冒険する、ロマン溢れる物語

この絵本のロマン溢れるところは、子どもたちが作った折り紙のこいのぼりが、本物のこいのぼりのように空を泳ぎ始めるところでしょう。

しかも、折り紙という、とても身近で作りやすいこいのぼりというのがポイントです。

自分も触ったことがあり、色々なものを作ってきた折り紙だからこそ、折り紙で作ったこいのぼりが空を泳ぎ冒険することに、とてもロマンを感じます。

折り紙なのにほんとに飛んだよ!

私のこいのぼりも飛ぶのかな?

この前作った恐竜も動くかも!?

と、自分が折り紙で作ったものにも、期待感が生まれているようでした。

こうして、空を泳ぐだけでも驚きテンションが上がりますが、それだけではとどまらないのがこの絵本の大きな魅力。

本物のこいのぼりすらもこえ、街の上を泳ぎながら優雅に見物を始めてしまうのです。

この景色も楽しいものになっており、車やバス、公園、ところどころに立てられているこいのぼりなど、色々な発見があります。

また、コイが、

「あ、バスが通るぞ。」

「郵便局が見える。」

「駅だ駅だ。電車がとまってる。」

と言ってくれるので、コイたちが見つけたものを探すのもおもしろい遊びとなっています。

この、子どもたちが作った折り紙のこいのぼりが、本当に空を泳ぎ街を散歩するというロマン溢れる展開に、自分たちが折り紙で作ったものへも期待と想像がふくらんでしまうのが、この絵本のとても素敵なところです。

コイたちの大活躍と大ピンチにワクワクドキドキ

けれど、コイたちの冒険は、街を散歩するだけでは終わりません。

子どもたちが知らないところで、大活躍をしたり、大ピンチに陥るなど、まさに大冒険な展開になっているのも、この絵本のワクワクドキドキするところとなっています。

空を泳いでいる中で、鳥たちの群れが正面衝突しそうなのを見つけたコイたち。

あわや大事故というドキドキの展開に、機転をきかせて交通整理を始めます。

その交通整理をする姿は、まるで工事現場の人たちのよう。

手には黄色い旗を持ち、笛を吹きながら鳥たちを誘導していきます。

コイたちの「オーライーライ」のかけ声に、思わず子どもたちも、

オーライオーライ!

と、手を降ってしまいます。

まさに子どもの心をくすぐるシチュエーションと、大活躍と言えるでしょう。

ですが、大活躍したのもつかの間。

今度は大ピンチが訪れます。

折り紙には天敵の雨が降ってきたのです。

濡れると重くなり、シワシワになっていくコイたち。

これがどれだけピンチなことか、折り紙をよく知っている子どもだからこそ実感できます。

濡れたら破れちゃうよ!

グニャグニャになって飛べなくなっちゃう!

と、子どもたちも焦ります。

でも、ここで助けてくれたのが、さっき正面衝突を防いだ鳥たち。

お礼に傘になってくれます。

この助け合いもとっても素敵。

助け、助けられという、心地よく温かい展開に思わず笑顔になることでしょう。

しかし、冒険はまだ終わりません。

最後の最後に、とてもロマンチックで素敵なサプライズが待っていました。

そのサプライズとは、虹を通ったら色が戻るというものです。

これには子どもたちも、

え!?虹の色がくっついたよ!

すげー!魔法の虹だ!

と大興奮。

ワクワクがマックスになっているようでした。

この、大活躍から大ピンチに不思議なサプライズまで、ドキドキとワクワクが止まらないコイたちの大冒険も、この絵本のとても素敵で楽しいところです。

先生の解説付きこいのぼりの折り方で、見たあとすぐに自分のこいのぼりが作れる

さて、そんな折り紙のこいのぼりたちが大活躍する絵本。

見たら、自分も折り紙でこいのぼりを折りたくなってしまいますよね?

実はこの絵本、物語の冒頭で先生がこいのぼりの折り方を教えてくれます。

折り紙の本くらい丁寧に、一手一手描かれていて、折り方も4回折ったら完成という2~3歳くらいからできる簡単なもの。

絵本を見ながらすぐに自分のこいのぼりが作れてしまいます。

普段は飾って終わりになってしまうかもしれませんが、この絵本を見たあとではそうはいきません。

自由に空を泳がせたくなること間違いなし。

手に持って、絵本の中のように、子どもたちとこいのぼりが自由に部屋を泳ぎ始めます。

子どもたちが自分で作り泳がせるこいのぼりには、絵本とは違う冒険が生まれることでしょう。

この、物語の中にこいのぼりの折り方が組み込まれていて、絵本を最後まで見終わったあと、すぐに絵本と一緒のこいのぼりを作り遊べるところも、この絵本のとても素敵で楽しいところです。

きっと、遊び終わって飾ったあとは、「自分が見ていない間に動き出しているかも」と、楽しい想像がふくらんでいることでしょう。

二言まとめ

折り紙で作ったこいのぼりが本当に空を泳ぎだし、空の上を大冒険する姿にワクワクドキドキが止まらない。

見たあとに、自分もこいのぼりを折り、空を泳がせて冒険に出かけたくなるこいのぼり絵本です。

登る保育士ホイクライマー
保育士
絵本大好きなクライミングが趣味の保育士/保育士歴12年/クライミング歴10年
年間200冊以上読み聞かせをしてきた経験を元に、絵本の紹介をしています。
専門書や学術書を読むのも好き!
その中から、日々の保育や子育てに役立ちそうな知識も、深め・濃いめ・具体例多めで、紹介しています。
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