作:とよたかずひこ 出版:童心社
おにぎりたちが、自分を握りおにぎりを作ります。
体を握って、具を食べてから、のりを巻き・・・
リズミカルな言葉とともに、ついにおにぎりが完成!
嬉しくって躍りだしますが、誰が何おにぎりかわからなくなっちゃった!?
あらすじ
3人のおにぎりくんが、おにぎりを作り始めました。
まずは、自分の体を握って形を整えます。
三角になったら、口を開けて具を待ちます。
具はそれぞれ、梅と鮭とおかか。
具を食べたら、大きなのりにくるまります。
体が全部隠れるように、のりを体に巻いていき・・・
梅おにぎり、鮭おにぎり、おかかおにぎりの出来上がりです。
3人は、手をつなぎ歌いながらくるくる回り踊ります。
どんどんどんどん踊ります。
・・・と、踊っているうちに、誰がなにおにぎりかわからなくなってしまいました。
でも、
「しんぱいごむよう!」
とおにぎりくんたち。
さて、おにぎりくんの素敵な作戦とは?

おしまい!
『おにぎりくんがね・・』の素敵なところ
- 自分で自分を一生懸命握るかわいいおにぎりくんたち
- リズミカルな楽しさに、思わず体が動き声が出てしまう言葉たち
- ポーズまで真似したくなる決めゼリフ
自分で自分を一生懸命握るかわいいおにぎりくんたち
この絵本のとても楽しいところは、おにぎりくんたちが自分を握りおにぎりを完成させていくところでしょう。
普通は誰かに握ってもらいますが、この絵本は一味違います。
自分で自分の体を握るのです。
だから、けっこう大変そう。
短めの腕で、頭やお腹を抑えて形を整え、のりを巻く時は布団にくるまるように頭が出ないよう苦労します。
その姿が一生懸命で、まるで服を着替える小さな子どものよう。
このおにぎりたちの一生懸命さが、子どもたちを共感させてくれるのかもしれません。
子どもたちもすっかりおにぎりくんになりきり、一緒に真似をして楽しみます。
体を握るところでは、自分の手をにぎにぎし、
お腹を叩くところでは、自分のお腹をポンと叩き、
口開け具を待つところでは、自分も「あーん」と口を開け、おにぎりくんと同じ顔。
すっかり、おにぎりくんになりきっていました。
子どもたちが口を開けた時に、ぽんと具を口にいれる真似をすると、モグモグしてかわいい・・・。
なにを入れたか言わなくても、

シャケだった!



私、いちご~♪
と、自分の好きな具を想像して楽しんでいました。
この、一生懸命自分を握るおにぎりくんたちの姿に、思わず自分もおにぎりになってかわいく真似をしてしまうのが、この絵本のとても素敵で楽しいところです。
ぜひ、子どもたちがなにおにぎりになるのかを、見届けてあげてください。
リズミカルな楽しさに、思わず体が動き声が出てしまう言葉たち
そんなおにぎりくんの動きだけでも、真似したくなるこの絵本。
けれど、おにぎりを握る中で出てくる、リズミカルな言葉も大きな魅力を持っています。
握るときには、「にぎにぎ ぎゅっぎゅっ にぎにぎ ぎゅ~ にぎにぎに ぎゅっぎゅっ」
のりを巻く時は「よいしょ どっこらしょ よいしょ おっこらしょ よいしょ よいしょ よいしょ・・・」
完成したあとは「おにぎり にぎにぎ たべてみな うめ シャケ おかか たべてみな」
と、歌うように進んでいきます。
これがとっても心地いい。
つい体が揺れて、リズムを取りたくなってしまいます。
子どもたちも思わずピョンピョンしたり、笑ったりと楽しいリズムに体が反応していました。
しかも、このリズミカルな言葉を聞いていると、一緒に言いたくなり自然と声が出てきます。



にぎにぎ ぎゅっぎゅっ♪
と楽しそうに声を出したり、まだしゃべれない子もまるで声を出しているかのように、ジェスチャーをして楽しそう。
この、リズミカルな心地いい言葉と、おにぎりくんたちの言葉にぴったり合った動きに、つい動きと言葉を真似したくなるところも、この絵本のとてもとても楽しいところです。
ポーズまで真似したくなる決めゼリフ
このように、動きも言葉も真似したくなる絵本ですが、その中でも特に真似したくなるポイントがあります。
それが場面の区切りごとに出てくる決めゼリフと決めポーズ。
握り終わったらお腹を両手で叩く「パン!」
口を開けて具を食べる「ぱくっ」
のりを巻き終わったあとの気をつけをして「しゃきっ!」
と、どれも決めポーズと決めゼリフがぴったりと合っていて、一言ビシッと言いたくなってしまうのです。
子どもたち的にも真似しやすいようで、やっぱり声に出てきやすいのはこれらの決めゼリフ。
おにぎりくんたちと一緒に楽しそうに決めてくれます。
さらに、この絵本というか、この「おいしいともだち」シリーズ。
シリーズ共通の、忘れてはいけない決めゼリフと決めポーズがあります。
その決めゼリフとは、
「しんぱいごむよう!」
手の平を「待った!」のポーズで前に出す、決めポーズとともに言い放ちます。
この決めセリフと決めポーズが、子どもの心を掴んで離しません。
ほとんどのページを飛ばし、このページを開いて、



しんぱいごむよう!
と、ポーズ付きで真似するなど、決めゼリフを見るためにこの絵本を見ていると言っても過言ではないほど。
絵本の全体を楽しみつつも、「しんぱいごむようの!」の場面が近づいてくるとワクワクと待ち切れない様子です。
そして、おにぎりくんたちとともに「しんぱいごむよう!」。
子どもたちが楽しそうなことこの上ありません。
この、シリーズ伝統の「しんぱいごむよう!」を始めとした、つい真似をしたくなる決めゼリフと決めポーズの楽しさも、この絵本のとても素敵で子どもたちを夢中にしてしまうところです。
子どもたちと一緒に全力で「しんぱいごむよう!」をお楽しみください!
二言まとめ
おにぎりくんたちが、リズミカルにテンポよく自分たちを握っていく姿に、つい体が動いてしまう。
「しんぱいごむよう!」の決めゼリフと決めポーズを、全力で真似したくなる楽しいシリーズ絵本です。
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