作:山本孝 出版:小峰書店
光も届かない深海。
そこに住むのは不気味だけれど、なぜか魅力的な深海魚たち。
深海を探検して、深海魚たちを近くで見てみたい。
そんな夢を叶えてくれる絵本です。
あらすじ
兄弟が布団の中で作戦会議をしています。
その結果、深海に決まりました。
2人が同時に布団をかぶると・・・。
そこは深海探査艇マリンスノーの操縦席でした。
2人は青い海の中へ。
どんどん潜っていくとやがて光の届かない深海へ。
シーラカンスなど様々な魚たちが泳いでいます。
さらに潜り、深さ1000mを通過すると、さらに不思議な姿の生き物が増えていきます。
クジラの骨を見下ろしながら、進んでいくとチムニーが現れました。
マリンスノーは一番大きなチムニーに向かいます。
チムニーのまわりの生き物をロボットハンドで採取していると、後ろから大きな影が・・・。
カグラザメが襲い掛かってきたのです。
全速力で逃げるけれど、カグラザメは段々と追いついてきています。
マリンスノーは食べられてしまうのでしょうか。
『しんかいたんけん!マリンスノー』の素敵なところ
- 臨場感あふれる深海探検が味わえる
- 数多くの深海生物がリアルに生き生きと描かれている
- 登場する生き物の図鑑もついていて、出てきた生き物の名前を調べられる。
布団をかぶったら深海探査艇へという夢のある展開からスタートするこの絵本。
その深海探検はゆっくり眺めるだけではありません。
目の前にメガマウスが飛び出してきたり、クジラの骨を見つけたり、カグラザメに追いかけられたりと臨場感に溢れた大冒険です。
それを見ている子どもたちもまるで兄弟になりきったように、「わあ!」「ちょっと怖いね」など驚いたり怖がったりといった反応を見せます。
そんな大冒険を彩る深海魚たちは本当に魅力的です。
悠々と泳ぐ姿や、他の生き物を捕食しようとしている姿など、とてもリアルに描かれています。
子どもたちは知っている魚を発見すると「チョウチンアンコウだ!」と大はしゃぎ。
知らない生き物にも「あれはなんだろう?」「お目めないよ」など興味津々です。
「リュウグウノツカイはいるかな?」とお目当ての深海魚を探す子もいます。
そんな興味にしっかりと答えるように、表紙の裏は登場した深海魚の名前が探せる図鑑になっています。
絵本から興味を持った時にすぐに調べられる流れは本当に素敵です。
深海初心者も上級者も興味を持って楽しんで、より深い知識へと誘ってくれる。
そんな夢のある科学絵本です。
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