作:藤本ともひこ 出版:交通新聞社
忍者は忍者でも並みの忍者ではありません。
その名もでんしゃにんじゃ!
電車と忍者、両方の力を掛け合わせてどんな危機も乗り越えます。
さてさて、どんな忍法が繰り出されるのでしょうか。
あらすじ
ある城で、姫の姿がどこにもなく、ブタのお殿様が困り果てていました。
そこに参上したのが電車の忍者でんしゃ丸、新幹線の忍者しんかん丸、汽車の忍者きしゃ丸。
連結した3人はでんしゃ忍者と名乗ります。
「キツネ城のやつらにさらわれた」というお殿様の言葉を聞き、でんしゃ忍者は姫を救い出しに行くことにしました。
山道を走っていると、前方にキツネ忍者の姿が現れました。
でんしゃ忍者はこの葉隠れの術を使い、なんとかやり過ごすことが出来ました。
町にさしかかると、またもや前方にキツネ忍者の姿が。
今度は変装の術で、キツネの町に溶け込みやり過ごすことに成功しました。
さらに進んだ森の中、でんしゃ忍者はついにキツネ忍者に見つかってしまいました。
しかし、しんかん丸の超特急で逃げ出したでんしゃ忍者。
追っ手をでんしゃ丸の手裏剣とまきびし、きしゃ丸のクモの巣で撃退し逃げることが出来ました。
いよいよ城に到着しましたが、そこには大きなお堀がありました。
そこででんしゃ忍者が使ったのは忍法みずぐも。
水の上をスイスイ進み、きしゃ丸の鍵縄で城の壁を登っていきました。
城の天守閣からは「きゃー!」という声が聞こえてきます。
でんしゃ忍者は無事に姫を救出することが出来るのでしょうか。
『でんしゃにんじゃ』の素敵なところ
- 子どもの大好きな電車×忍者という組み合わせ
- 電車×忍者ならではの忍法の数々
- ハラハラドキドキの展開からの笑える結末
子どもが聞いただけでテンションが上がる電車と忍者。
それらがまさかのコラボレーション。
これには子どもたちも釘付けです。
そんな夢の組み合わせだからこその数々の忍法は必見!
スタンダードなこの葉隠れの術やみずぐもはもちろん、変装の術では乗り物の特性を生かした変装をしたり、超特急では連結を変え、しんかん丸を先頭にしてスピードを出すなど、その特性を見事に活かしています。
さらに忍術を使ったページには間違い探しなどの要素も入っていることが多く、でんしゃ忍者を探す楽しみもあります。
でんしゃ忍者を探す子どもたちは真剣そのもの。
「いた!」「バスになってる!」などなど、見つけるととても嬉しそう。
次々と迫るピンチに、繰り出される忍術。
ハラハラドキドキのスピーディーな展開に目が離せない・・・。
のですが、最後にまさかのオチが待っています。
これにはみんな大爆笑!
楽しい雰囲気の中幕を閉じます。
そんな、電車と忍者、緊迫と爆笑が上手く混ざり合った絵本です。
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