たなばたこびとのおはなし(2歳~,絵本,七夕・行事)

  • URLをコピーしました!
スポンサーリンク

作:まついのりこ 出版:童心社

小人が笹を立てて七夕の準備を始めます。

小人の元へ野原の生き物たちが短冊を持ってやってきました。

夜になり空に天の川が流れると、小人は冠の星を天の川に向かって投げます。

すると、天の川から銀の階段が伸びてきて、小人は笹を持って天の川へ登っていったのでした。

目次

あらすじ

7月7日が来ると、七夕小人は笹竹を持って小さな丘に登ります。笹竹を丘に立てると、野原の生き物たちが次々と短冊を持ってやってきました。虹の子どもたちもやってきて、短冊を笹竹に飾ってもらいます。

飾りつけも終わりいよいよ夜がやってきました。天の川が現れ、織姫・彦星・はくちょう座のデネブが輝いています。

七夕小人は天の川に短冊を流しみんなの願いを叶えるため、冠の星を天の川に投げました、すると、天の川から銀の階段が降りてきたではありませんか。さっそく七夕小人は笹竹を持って階段を登ります。

ところが急に風が吹き階段を吹き飛ばしてしまったから大変です。七夕小人が先へ進めなくなり困っているとはくちょう座の星たちが白鳥になって助けに来てくれました。七夕小人は白鳥の背中に乗って天の川へ。無事に笹竹を天の川へ流すことができたのでした。

笹竹に飾られた短冊は、星になって天の川を流れていきました。

おしまい!

『たなばたこびと』の素敵なところ

  • 不思議でおもしろいことがたくさん起こる七夕の物語
  • 七夕の星座や星が簡単にわかり自分も星を探したくなる
  • 星が大活躍するロマンチックでワクワクする結末

不思議でおもしろいことがたくさん起こる七夕の物語

この絵本の大きな見どころは、七夕に関する不思議でおもしろいことが次々起こる楽しさです。

七夕小人が笹竹を立てると、次々短冊を持ってやってくる生き物たち。ちゃんと短冊に書かれている願い事も読み取ることが出来、それぞれの個性的な願いを知ることができます。さらには、7人の虹の子どももやってきてなんともきれいな短冊を渡してくれます。子どもたちも、

虹だって!

丸くてかわいい~

とまさかのキャラクターに驚きながら大喜びです。

でも、短冊を飾り終わってからが、この絵本の本番です。空を流れる天の川へ笹短冊を流しに行こうというのですから。短冊を直接天の川に流すなんて聞いたこともありません。子どもたちも、

どうするの!?

と思わずワクワクしてしまいます。

そんなワクワクしながら見守る中、七夕小人は冠の星を投げて銀階段を降ろします。予想もしなかった展開へさらにワクワクする子どもたち。全然先の予想ができません。

この、七夕に関係するものがたくさん登場しながらも、他の七夕絵本とは一風変わった星空を舞台にした物語に驚きとワクワクが止まらないところが、この絵本のとてもおもしろいユニークなところです。

七夕の星座や星が簡単にわかり自分も星を探したくなる

星空をメインの舞台としたこの絵本では、織姫・彦星・天の川だけでなく星座も登場します。この星座がお話の中心として出てくるはかなり珍しく驚きです。

基本的には七夕の物語であれば織姫・彦星・天の川が、星座の物語であればベガ・デネブ・アルタイル・はくちょう座・こと座が中心に描かれます。ですが、この絵本はバランスよくすべてが混ざり合っているのです。この七夕伝説と星座が混ざり合っていることで、この絵本ならではのおもしろさが生まれています。

短冊に願いを込めるという七夕の風習を知りながら、実際の夜空を見て星座や星探しもしたくなるという、七夕欲張りセットが実現しているのです。

特に、紹介されている星が、織姫・彦星・デネブと、夏の大三角形を作るとても見つけやすい星というのがポイント。絵本を見てから「どこにあるのかな?」と夜空を見上げたらすぐ見つけることもでき、3つの星が三角形を作っているという新たなおもしろさへ繋げやすい星になっています。

とても明るい星で、都会でも見つけやすいというのも素敵なチョイスになっていますね。

この、織姫と彦星だけでなくデネブやはくちょう座が登場し活躍することで、自分でも登場した星を探したくなり、探した時に見つけやすいというのも、この絵本のとても素敵なところです。

ぜひ、子どもと一緒に夏の大三角形を探してみてください。天の川が見えない都会でもしっかり見つけることができますよ。

星が大活躍するロマンチックでワクワクする結末

この絵本では星たちが大活躍します。特に活躍してくれるのがはくちょう座を形作る星たち。銀の階段が風に飛ばされ七夕小人が前に進めなくなった時に駆けつけてくれるのです。

星でできた白鳥に乗り天の川へ行くなんてなんとロマンチックなのでしょう。子どもたちも、

白鳥さん優しいね!

お空飛んでる!

と目をキラキラ。自分も空を飛んでいるかのように楽しそうでした。

さらに、ピンチを助けてくれるだけじゃなく、短冊の願い事を叶えてくれるためにも星たちは大活躍。天の川に流した短冊は星になってみんなの願いを運んでくれるのです。短冊や願い事と星たちを繋げてくれることで、七夕の日に空を見上げてお願い事をしたくなってしまいますね。

この、星たちが大活躍しみんなの願いを叶えようとしている姿を見ることで、七夕の風習と夏の夜空で特徴的な星たちを繋がてくれるのも、この絵本のとても素敵なところです。

はくちょう座の大活躍を見たら、夜空のデネブを探したくなること間違いなし。ぜひ、この機会に大人も子どもも夏の大三角形を見つけられるようになってみてください。きっと、七夕がもっと楽しくなりますよ。

二言まとめ

夏の夜空を舞台にした、七夕の楽しいことや美しいものが詰まった物語に七夕が待ち遠しくなる。

みんなの願いを叶えるため大活躍する星たちを見て、夜空を見上げ登場した星を探し願い事をしたくなる七夕絵本です。

スポンサーリンク
登る保育士ホイクライマー
保育士
絵本大好きなクライミングが趣味の保育士/保育士歴12年/クライミング歴10年
年間200冊以上読み聞かせをしてきた経験を元に、絵本の紹介をしています。
専門書や学術書を読むのも好き!
その中から、日々の保育や子育てに役立ちそうな知識も、深め・濃いめ・具体例多めで、紹介しています。
この小さなサイトから、日本の保育・教育・子育てを
「気軽に・楽しく・より深く」
日本全土を保育・教育沼に引きずり込んでいく予定です。
底なし沼の底にてお待ちしていますので、ぜひバシャバシャしていってください。

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次