作:まつおかたつひで 出版:ほるぷ出版
池のカエルと言っても、そこには色々なカエルが住んでいます。
カエルによって、鳴き方も、食べるものも、卵の産み方も様々。
そんな池のカエルたちが勢ぞろいして、自己紹介してくれます。
あらすじ
ある池の中をモリアオガエルが気持ちよさそうに泳いでいます。
モリアオガエルが仲間を呼ぶと、様々なカエルが顔を出しました。
トノサマガエル、ツチガエル、ウシガエル、アマガエル・・・。
と全部で7種類もいます。
みんなで泳ぐと、泳ぎ方はみんな一緒の平泳ぎ。
でも、みんなで鳴くと、みんな鳴き方が違います。
みんな虫を食べるけど、好きな虫は違います。
木登りできるカエルと出来ないカエルもいます。
卵の産み方も全然違います。
木の上に産んだり、一カ所に集めたり、ばらばらに広げて産んだり。
卵が孵り、オタマジャクシになると、それを食べようとする生き物もいます。
ですが、オタマジャクシは団子みたいに固まって、体を大きく見せて身を守ります。
オタマジャクシは少しずつ大きくなりカエルになっていきます。
とても不思議で魅力的なカエルたちの自己紹介でした。
『ぼくらはいけのカエル』の素敵なところ
- とてもリアルに描かれたカエルたち
- カエルだけでなく、池の生き物もたくさん細かく描かれている
- 最後に出てきたカエルの写真が載っている
この絵本のカエルたちはとてもリアルに生き生きと描かれています。
泳ぐ姿や、虫を捕まえる姿、木登りする姿など、とても躍動的で、本当に動いているかのようです。
そんなカエルたちの自己紹介には知らないこともたくさん。
足に吸盤がなく木登りできないカエルがいたり、本当に色々な鳴き声を持っていたり。
思わず「へ~!」と感心してしまうことだらけです。
読みながら子どもたちも情報をアップデートしているようで、
「ツチガエルは吸盤ないんだね」「ウシガエルは大きいね!」「チョウチョも食べるの!?」
などなど、色々な気づきを口に出していました。
そんなリアルなカエルたちですが、リアルなのはカエルだけではありません。
池の中もとても賑やかでリアルなのです。
カエルが話している間も、池の中ではフナやメダカが泳いでいたり、トンボが飛んでいたりします。
カエルが泳いでいる池の中では、スッポンがいたり、ドジョウやタガメも泳いでいます。
他にも様々な生き物が一緒に生きているのがわかります。
子どもたちも興味津々。
知っている生き物がいると大騒ぎしたり、「あれなんだろう?」と気になったり。
そんなリアルに描かれた生き物たちですが、最後に池の俯瞰図と生き物の写真が載っているのが本当に素敵です。
これがあることで、実際に探しに行った時にとても探しやすいのです。
写真と見比べて、どのカエルを調べることも出来ますし、他の生き物も一緒に探せます。
なにより、「ここにはこの草があるから○○がいそう」というように、生態系を予想しながら探せるのは本当にいい経験と知識になります。
カエルたちの自己紹介から実際に探しに行けるように工夫された、図鑑と地図を合わせた絵本です。
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