文・絵:岩田明子 出版:大日本図書
空から降ってくる雨。
でも、発音を変えると飴。
「本当に飴が降ってきたらいいな」と楽しい空想をしたことはありませんか?
そんな空想が本当になる夢いっぱいの絵本です。
あらすじ
かみなり様の子どもかみなりちゃん。
お父さんが仕事に行ったので、今日は留守番をしています。
早くお父さんみたいになりたいかみなりちゃんは、お父さんの真似をしてみることにしました。
でも、いつもお父さんが言っていた「雨」というセリフを忘れているかみなりちゃん。
思い出しながら言ってみます。
「まめふれ、まめふれ・・・」
すると地上に豆が降り注ぎました。
違うことに気付いたかみなりちゃん。
気を取り直してもう一度。
「こめふれ、こめふれ・・・」
すると今度は米が降り注ぎました。
その後も、カメ、サメと色んなものを降らせます。
そこへ騒ぎを聞きつけたお父さんのかみなり様が、帰ってきました。
お父さんに「あめ」だと教えられて、張り切るかみなりちゃん。
今度こそ雨を降らせることが出来るのでしょうか。
『そらからふるものなんだっけ?』の素敵なところ
- わかりやすい繰り返しと、予想もつかない降らせるもの
- 降ってきたときの地上の反応がおもしろい
- お父さんのすごさを感じる
この絵本は、
思い出そうとする→間違った言葉を言う→違うものが降ってくる
というわかりやすい繰り返しで進んでいきます。
そのおかげで、小さい子も大きい子も、かみなりちゃんの次が次に降らせるものに期待が膨らみます。
その中で降らせるのは予想外のものばかり、特にサメが降ってくるところなどでは
「サメ!?」「大変だ!どうなっちゃうんだろう!」
とかみなりちゃんのセリフに悲鳴があがりました。
また、繰り返しのセリフも子どもたちに楽しさと安心感を与えてくれます。
降らせる時には「サメ降れ、サメ降れ、どんどこどん!」というセリフ。
降らせた後には「あれ?少し違うな。空から降るものなんだっけ?」というセリフが入ります。
これにより、次の場面への気持ちの切り替えが出来てとても見やすく、盛り上がりやすくなっています。
この降ってくるものへの地上の人々の反応もおもしろいポイントです。
豆が降ってくる時はびっくりして目を丸くしている人たち。
でも、コメが降ってくると大喜びで、ボウルや傘など持っているものに米を集めます。
動物たちも食べようと出てきます。
段々慣れてきて、カメでは大して驚かなくなった人も、サメにはパニック!
と、反応がとてもおもしろい。
また、前に降ってきたものがしっかりページに反映されていて、前回の場面の続きになっているのもおもしろいところです。
そんなかみなりちゃんに代わり、最後はお父さんの出番です。
その迫力や降らせるものも桁違い!
その力強さはかみなりちゃんとは比べ物になりません。
それを見たかみなりちゃんは尊敬の眼差しです。
そんなかみなりちゃんに向ける、お父さんの眼差しはさっきまでの迫力とは違い本当に優しいもの。
お父さんの強さと優しさを感じます。
おもしろおかしくワイワイ見られる楽しい絵本ながら、最後はお父さんのすごさを感じられる絵本です。
コメント