作:フランクリン・M・ブランリー 絵:ジェームズ・グラハム・ヘイル 訳:やすなりてっぺい
出版:福音館書店
空から水が降ってくる。
それってよく考えるととっても不思議。
雨を降らせる曇ってなんなんだろう?
雨ってどこから来ているんだろう?
そんな疑問を解決してくれる絵本です。
あらすじ
雨は雲から降ってくる。
その雲は、水の粒よりとても小さい雲粒から出来ている。
そして、雲粒は水蒸気が集まって出来ている。
その水蒸気は水が蒸発して出来ている。
空気の中の水蒸気のほとんどは湖や川、海からやってくる。
水蒸気が風に乗って、空の高くて寒いところにやってくると、冷えて雲粒になる。
雲粒がたくさん集まると雲になる。
小さな雨がゆっくり降ると霧雨に、大きな雨の粒が勢いよく降ると土砂降りになる。
雲の中で水のしずくが凍ることもある。
この氷の粒が大きくなり重さに耐えきれずに落ちてくると雹になる。
こうして、雨、水蒸気、雲粒、雲と循環していき、また雨が降ってくる。
『ほら あめだ!』の素敵なところ
- 雨の謎が詳しくわかる
- 難しいことも簡単な言葉と身近な例えで伝えてくれる
- 雨に関係のある、日常の現象も教えてくれる
雨という現象を通して、それがどこから来るのか。
水蒸気ってなんなのか。
雲は何からできているのか。
はたまた、その発展形の雹の出来方などまで、雨のことを詳しく知ることが出来ます。
でも、この絵本の魅力はそれだけではありません。
その複雑な現象や概念をとてもわかりやすい言葉と、身近な例えで理解しやすいように伝えてくれるところにあります。
一番最初に驚かされるのは雲粒の大きさ。
普通の水滴と比較しつつ、本当の雲粒の大きさが描かれています。
その小ささに「えー!こんなに小さいんだ!」と一気に興味を惹きつけます。
水蒸気もお皿の水が乾いたり、洗濯物が乾くことなど身近な例えで水が水蒸気に変わることがわかりやすく描かれています。
わかりやすいだけでなく、日常に隠れている雨と関係ある不思議な現象を教えてくれるのもおもしろいところ。
寒い日に吐く白い息が、実は雲だということを知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
そういう科学的な豆知識も交えて話が進んでいくので、見ていて次々に発見があるのです。
雨のことがわかるだけでなく、水そのものの性質やそれに伴う現象まで、身近な例えを使いとてもわかりやすく伝えてくれる科学絵本です。
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