作:広瀬克也 出版:佼成出版社
夢に見たことが現実になる予知夢。
もし「おばけの大群が押し寄せてくる」なんて予知夢を見てしまったら。
村人たちのおばけ対策が今始まります。
あらすじ
のどかな田舎の古いお寺で、和尚さんがうとうとしていました。
すると、道具のオバケが押し寄せてくるというとんでもない夢を見てしまいました。
これは夢のお告げだと思い、和尚さんは急いで村人を集めました。
村人に夢のことを伝え、祭りを開き、おばけの恨めしい気持ちをなくすことで帰ってもらうと言う作戦を決めた。
村人総出で祭りの準備が始まった。
準備が終わり夜になると、道の向こうから人影がやってきた。
やってきたのはよろよろの旅人だった。
和尚さんは村長さんに、この旅人がおばけに違ないと言い、旅人をもてなすことにした。
朝になり、村人が起きるとそこには旅人からの置手紙があった。
そこにはお礼が書いてあり、どうやらおばけではなかったようだった。
和尚さんに詰め寄る村人たち。
しかしその時、本物のおばけの大群が現れた。
村人たちは疲れ果てていたが、おばけたちをもてなすことに。
楽しむおばけたちでしたが、中々いなくなりません。
さらにはこの村に住み着こうと言い出したのです。
またも村人に詰め寄られるおしょうさん。
このままおばけは村に住み着いてしまうのでしょうか。
『ばけまつり』の素敵なところ
- おばけを楽しませるという発想
- おちゃめな和尚さんとのドタバタ劇
- 結局それ!?という結末
おばけが来るとわかった時に、戦ったり逃げたりするのではなく、楽しませるという発想は中々ありません。
それも、恨めしい気持ちがあるからおばけになる。
だから、恨めしい気持ちがなくなるくらい楽しませる。
というのは理にかなっているように見え「なるほど」と思ってしまいます。
そんな逆転の発想から始まったばけまつり。
しかし、おちゃめな和尚さんの勘違いや早とちりにより村はドタバタ。
旅人をおばけと勘違いしてもてなしたり、祭りで楽しませ過ぎておばけが帰らなかったり。
そのたびに村人に詰め寄られ、苦笑いして頭をかく和尚さん。
そのお約束の流れがおもしろい。
子どもたちもそのたびに「おばけじゃなかったじゃん!」「全然帰らない!」と村人と同じ反応。
そんな和尚さんの最終手段は「えー!?結局!?」という技。
あの祭りは一体何だったのか・・・。
そんなおばけにドキドキしながらも、ドタバタ劇に笑ってしまうとんちのきいたお話です。
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