作:岡田よしたか 出版:小学館
夏の風物詩きもだめし。
では、鬼がきもだめしをしたら一体どうなるでしょう。
怖がる?それとも返り討ち?
次々にオバケたちが驚かしにやってきます・・・。
あらすじ
仕事が遅くなり、終電を逃した二人の赤鬼。
赤鬼たちは暗い夜道を歩いて帰るところでした。
鬼なのにオバケにビクビクしつつ歩いていると・・・。
前から人魂が飛んできました。
なんとか消えてもらい進んでいきます。
すると、今度は幽霊が出てきました。
それもなんとか振り払い、さらに進んでいくと、なにやら「ポキポキ」と言う音が・・・。
前から来るのは骸骨でした。
骸骨からも逃げますが、その後も墓石、ろくろ首、のっぺらぼう・・・と次々とオバケたちが出てきます。
もう怖くてたまらない赤鬼たち。
無事に家に帰りつくことは出来るのでしょうか。
『オニのきもだめし』の素敵なところ
- 鬼なのにめっちゃ怖がる
- 次々出てくる妙に愛想のいいオバケたちと鬼との軽快なやり取り
- とんちの聞いた衝撃の結末
この絵本の主人公は赤鬼です。
人間にしてみれば赤鬼もオバケ類ですが、そんな赤鬼がオバケを怖がるという逆転の発想がシンプルに面白い。
子どもたちからも「鬼なのに!?」「鬼だって怖いじゃん!」と率直な意見が。
もちろん、オバケに会うたびに面白いように怖がってくれます。
でも、その怖がり方は他の絵本と一味違います。
この絵本、口調が全て関西弁で描かれています。
もちろん、オバケも関西弁。
このオバケたちは、まるで関西の漫才の如く「まいど~」などと言いながら現れるのです。
これには鬼も負けていられません。
怖がりつつも、しっかりと軽快なツッコミを入れていきます。
このやり取りは漫才そのもの。
流れるように会話が進みます。
オバケの絵がちゃんと不気味に描かれている分、そのギャップが不思議な面白さを生み出しているのです。
さて、そんなきもだめしには予想外の結末が待っていました。
とんちが利いていて思わず笑ってしまう結末は、この絵本にピッタリです。
絵は怖いのに、見ていると笑顔になってしまう、不思議なホラー絵本です。
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