作:エリック・カール 訳:アーサー・ビナード 出版:偕成社
みんな大好きなホットケーキ。
この絵本は材料を一つ一つ集めてくるところから始まります。
苦労して手に入れた材料を、一つずつ調理して完成したホットケーキの美味しそうなこと。
読んだらきっと、とてもとてもホットケーキが食べたくなることでしょう。
あらすじ
朝、目を覚ましたジャックは思いました。
「でっかいホットケーキが食べたいなぁ」
お母さんにそのことを話すと、「忙しいから手伝ってもらえないと作れない」と言われました。
そこでジャックは手伝うことにしました。
まず、小麦粉を取りに行くことになりました。
畑で小麦粉を刈り取ります。
そして、小麦を水車小屋に持っていき、おじさんにもみ殻を落としてもらいます。
粒になった小麦を石うすで引くと、袋いっぱいの小麦粉になりました。
小麦粉を持って、家に帰りホットケーキを作ろうとすると、お母さんが言いました。
「卵がなければ出来ないわ」
ジャックはめんどりに残っていた小麦の粒をあげました。
すると、めんどりは卵を産み、ジャックは卵を手に入れました。
卵を持って家に帰りホットケーキを作ろうとすると、お母さんがまた言いました。
「牛乳がないと出来ないわ」
ジャックは牝牛の乳を搾り、牛乳を手に入れました。
その後も用意するものはたくさんありました。
バターに、薪、イチゴジャム。
ジャックは美味しくてでっかいホットケーキにありつけるのでしょうか。
『ホットケーキできあがり!』の素敵なところ
- ホットケーキの材料と、それを集める大変さがわかる
- 細かく描かれるホットケーキを作る過程にワクワク
- ホットケーキが本当に美味しそうで、自分も食べたくなる
家でホットケーキを作る時、ホットケーキミックスを使う人がほとんどだと思います。
それに、卵も牛乳もスーパーに売っているから、ホットケーキはとっても手軽に作れます。
でも、それを自分で全部やるとなったらとっても大変。
小麦を小麦粉にするにはたくさんの過程があるし重労働。
卵は産ませないといけないし、牛乳も搾ってこなくてはなりません。
「もう出来るかな?」と思うたび、お母さんに「出来ないわ」と言われる繰り返しも子どもたちのホットケーキへのワクワク感を盛り上げます。
そして、やっと材料がそろい、いざ調理へ!
一つずつ描かれる工程は、材料集めで高められたワクワク感を、さらに高めていきます。
いざ焼き始めたら、涎が止まりません。
焼きあがったホットケーキの美味しそうなこと。
これを読んでしまったら、その日はホットケーキで決まりです。
作るのが大変な分、よりホットケーキが魅力的に感じる。
絶対にホットケーキが食べたくなる絵本です。
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