作:タダサトシ 出版:小学館
魅力的な、森に住む虫たち。
そんな虫たちと友だちになって遊べたら。
そんな夢を叶えてくれる絵本です。
今日の虫の森では、一体どんな出来事が起こるのでしょうか。
あらすじ
男の子のさっちんは、虫の森に住んでいるオオクワガタのオオクワくんと友だちです。
一話目:水泳大会
暑い夏の朝。
さっちんはオニヤンマさんから、水泳大会の招待状をもらいました。
そこでさっちんとオオクワくんは、泳ぎの練習をすることにしました。
でも、全く泳げず、さっちんは溺れそうになっていました。
そこで、カミキリくんとカブトムシくんが、木でカヌーを作ってくれました。
さっちんとオオクワくんはカヌーの練習を始めます。
何度も練習し、ついにスムーズに漕げるようになりました。
いよいよ、水泳大会本番。
たくさんの虫たちが参加したり、応援したりしています。
ゴールにはみんなの大好きな食べ物が。
みんなでご飯を食べながら、来年は泳げるようになって出ることを約束するのでした。
二話:迷子のヘラクレスくん
三話:秋の虫の森
と、3本立ての、虫との日常を楽しく描いた、虫探しが楽しくなる絵本です。
『おいでよ!むしのもり』の素敵なところ
- デフォルメされつつも、リアルな虫の絵
- さっちんと同じ大きさの虫たち
- 虫たちとの日常を当たり前のように描いているところがいい
この絵本にはたくさんの虫たちが出てきます。
カブトムシ、クワガタムシ、カミキリムシなどから、タガメ、ゲンゴロウ、アメンボなど。
本当にたくさんの虫たちが出てくるのですが、どれも表情豊かに描かれます。
その表情などはデフォルメされているのですが、その体の作りなどはとてもリアル。
足の作りや、腹の構造、それぞれの虫の口の違いなどまで細かく描かれているのです。
この虫としてのリアルさが、この絵本の一つの魅力であることは間違いありません。
そして、この虫たちは人間のさっちんと同じ大きさです。
普通に一緒に歩いているし、しゃべります。
まさに同年代の友だちといった様子。
でも、この大きさや表情のデフォルメと、リアルな虫の構造のバランスがこの絵本の素敵なところなのです。
そのバランスの取れた絵で繰り広げられる、虫たちとさっちんの飾らない日常。
それが、この絵本の世界観に妙な現実味を与えてくれるのです。
「自分も森に行ったら、こんな風に虫たちと遊べるんだろうな。」
と、自然と思わせてくれる現実味。
これはこの絵本だからこそ味わえるものだと思います。
この絵本を読んだら、虫を探して一緒に遊びに行きたくなること間違いなしな絵本です。
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