なぞなぞでおやしきたんけん(4歳~)

絵本

文:石津ちひろ 絵:こみねゆら 出版:アリス館

遊びにやってきたおばあちゃんの家。

でも、そこには不思議がいっぱいでした。

なぞなぞ遊びを始めたら、家中のものがなぞなぞを出してきたのです。

なぞなぞが女の子をお屋敷探検へと誘います。

あらすじ

おばあちゃんのお屋敷に、1人で遊びに来たさやちゃん。

朝起きると、一羽の小鳥が窓をつついていました。

窓を開けると小鳥は部屋に入ってきて、「一緒に遊ぼう」と言いました。

さやちゃんと小鳥はなぞなぞ遊びをすることにしました。

まずは小鳥がなぞなぞを出しました。

「小さな生き物が、赤いドレスをひらひらさせて、踊るように泳いでる。それは一体だあれ?」

答えは金魚でした。

さやちゃんが部屋の中の金魚をじーっと見ていると、今度は金魚が言いました。

「ぴかぴか光る針金で出来たおうち。小鳥さんは大嫌い。それは一体な~んだ?」

答えは鳥かごでした。

その答えを聞くと、小鳥は慌てて逃げていきました。

さやちゃんは小鳥の後を追いかけているうちに、知らない部屋に迷い込んでしまいました。

すると、部屋のどこからか咳払いが聞こえます。

さやちゃんがびっくりして辺りを見回すと、絵の中のおじさんが真面目な顔でなぞなぞを出して来ました。

その後も、さやちゃんがなぞなぞに答えていくと、その答えのものが次々になぞなぞを出してくるのでした。

さやちゃんはなぞなぞに従い、屋敷中を探検していきます。

一体どこに辿り着くのでしょうか。

『なぞなぞでおやしきたんけん』の素敵なところ

  • ページの中に答えがある、結構本格的ななぞなぞ
  • なぞなぞだけじゃなく、予想のつかない物語もおもしろい
  • こんな所に住んでみたいと思える、緻密に描かれた素敵な屋敷

この絵本のなぞなぞは、結構本格的なものばかり。

しっかり頭を使わないと、中々答えは見つかりません。

でも、そのヒントとして、必ず答えがページの中に描かれています。

中には名前を知らないものや、全然答えがわからないものも。

全然わからなかったものも、答えを聞くと「なるほど!」「こういうことか!」と納得していたので、なぞなぞはいい問題みたいです。

しかし、この絵本の魅力はなぞなぞだけではありません。

むしろ、なぞなぞを解いた後。

その答えになったものがなぞなぞを出すという流れなのですが、絵がしゃべったり、絵本から猫が飛び出したりと、不思議なことが起こります。

なぞなぞの楽しさと、その後の展開や、次はどこに行くんだろうという不思議な屋敷を探検する楽しさが、見事に融合しているのです。

そんななぞなぞと探検の舞台になる屋敷ですが、まるで中世のお城のよう。

色んな部屋や屋根裏まであって、探検のしがいがありそうです。

その部屋の中にあるものも、おしゃれな家具、食器、ピアノに絵画、本棚、おもちゃなどなど。

細かく、繊細な色使いで描かれていて、こんなところに住んでみたいと思うような部屋ばかり。

それらを見ているだけでも、うっとりしてしまいます。

子どもが大好きななぞなぞと探検が、とても自然に融合され、見ている人をあっという間に屋敷の中に誘います。

夢中で最後まで見てしまう絵本です。

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