作:せなけいこ 出版:童心社
たくさん遊ぶとお腹が空きます。
実はオバケもお腹が空きます。
はらぺこのオバケは知恵を絞ってお供え物をもらおうとしますが・・・。
悲哀と夢が混ざり合った絵本です。
あらすじ
あるところに、はらぺこの幽霊がいました。
友だちの幽霊に、「人間を脅かすと怖がって食べ物を供えてくれる」という話を聞きました。
さっそく、杵と臼を使い驚かすことに。
しかし、これを見た人間は自動で動く杵と臼に大喜び。
どんどん餅をつかせて、みんな持って行ってしまいました。
はらぺこ幽霊はふらふらになって墓場に戻り、そのまま倒れてしまいました。
それを見た閻魔大王はびっくり。
鬼にはらぺこ幽霊を連れてくるように言いました。
はらぺこ幽霊を助けようと鬼が迎えに行きました。
はらぺこ幽霊は無事に閻魔大王の所へ行って、ごはんを貰えるのでしょうか。
『はらぺこゆうれい』の素敵なところ
- 哀愁漂うはらぺこ幽霊
- 行動が全部裏目に出てしまう
- 平和(?)なまさかの展開
最初からはらぺこで、後姿から哀愁がほとばしるはらぺこ幽霊。
一生懸命杵をつく姿。
墓場で倒れている姿。
全てに哀愁を漂わせて、物凄く応援したくなります。
でも、どんなに応援しても、いたずらをすれば人間は驚くどころか大喜び。
倒れている時でさえ、全ての行動が裏目に出てしまうからどうしようもありません。
そんなはらぺこ幽霊にも最後には救いが待っています。
しかし、その救いは夢はあるけど斜め上な展開です。
ただ、表情は幸せそうなのできっとハッピーエンドでしょう。
なかなか報われない、哀愁漂う幽霊のオバケ絵本です。
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