おめん(5歳~)

絵本

作:夢枕獏 絵:辻川奈美 編:東雅夫 出版:岩崎書店

人を呪うことのできる素敵なお面。

あの子も、この子もみんな呪おう。

でも、人を呪わば穴二つ・・・。

あらすじ

嫌な奴、いるよね。

綺麗なあの子。

嫌いなあいつ。

転んでけがをすればいい、足がおれて歩けなくなればいい。

そんなこと思うことあるよね。

そういう時に君の前に現れるお面。

被ると人を呪うことが出来るお面。

綺麗なあの子の顔がぐちゃぐちゃになればいい。

あいつの足は折れてしまえ。

そしたら、本当になったよ。

何でもできるこのお面。

すごいぞすごいぞ。

あの子もその子もみんな不幸になればいい・・・。

『おめん』の素敵なところ

  • 人間の怖さが詰まっている
  • 誰もが被るかもしれないお面
  • 人を呪わば穴二つ

この絵本のテーマが呪いなだけあり、薄暗くドロドロとした感情が詰まっています。

妬み、嫉妬、恨みといった、呪いの感情。

でも、これは誰もが自然に生まれてしまう感情です。

その感情に振り回されたとき、そのお面は現れます。

感情を、本当の呪いに変えるお面。

力を与えてくれるお面。

負の感情や弱さを克服するよりも、相手を壊す方が楽だから。

ついついそのお面の力に頼ってしまいます。

そして、溺れてしまいます。

けれど、そこに救いはありません・・・。

人を呪わば穴二つ。

その先に待つ結末に光があるわけありませんから。

人の感情の暗い部分にスポットライトを当て、これでもかと目の前に突きつけてくる怪談絵本です。

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