文:小森香折 絵:西村繁男 出版:アリス館
妖怪のトラブルは妖怪博士におまかせです。
妖怪のことなら何でも知ってる妖怪博士。
おや、今回の依頼者が現れたようですよ。
あらすじ
妖怪博士の家に、モリオという男の子がやってきました。
モリオは「屋根裏に妖怪がいるようだから調べて欲しい」と依頼しました。
早速、妖怪博士はモリオの家に行きました。
家に入るなり、いきなり何かが飛び出しました。
妖怪博士は「妖怪ねこまただ!」と言いましたが、猫のミルクでした。
今度は階段を上がっていると、暗がりから何かが現れました。
妖怪博士は「妖怪おしろいばばあだ!」と言いましたが、モリオのお母さんでした。
屋根裏に到着すると、なにやら鳴き声が聞こえてきます。
さらに、博士が屋根裏に入ると、悲鳴まで聞こえて来るではありませんか。
博士とモリオが声のする方に行ってみると、そこには豆腐小僧が隠れていました。
人間が怖いから、見つからないようにしていたのです。
豆腐小僧が誰にも怖がってもらえないというので、博士は怖い妖怪に変えてあげることにしました。
博士が呪文を唱えると、豆腐小僧は色が変わりましたが、あまり怖くはありません。
そこで、博士がもっと強力な呪文を唱えました。
すると、モリオが一つ目小僧になってしまいました。
その時、妖怪たちがわらわらと屋根裏に押し寄せてきました。
妖怪たちは豆腐小僧を探していたのです。
豆腐小僧は妖怪たちと、無事に帰ることが出来ました。
さて、改めて一つ目小僧になったモリオを戻すために、博士が呪文を唱えました。
モリオは元に戻ることが出来ましたが、同時に博士にも変化が・・・。
一体どうなってしまうのでしょう。
『あやしい妖怪はかせ』の素敵なところ
- 堂々としているけれど、頼りにならない妖怪博士
- 冷静にツッコミを入れるモリオくん
- まさかの博士の正体
妖怪のことならなんでもお任せの妖怪博士。
最初は威厳があったけど、妖怪は間違えるし、呪文も失敗だらけでなんだか頼りになりません。
でも、威厳と堂々とした態度は失いません。
いつも、どこか偉そうです。
この失敗をものともしない博士の姿はどこか憎めず、次はどんなことをするんだろうと、期待してしまいます。
そんな博士のサポート兼ツッコミ役のモリオくん。
堂々と間違える博士に、冷静かつ的確なツッコミをしてくれます。
この二人のやり取りが、テンポよく独特の雰囲気を醸し出してくれています。
その姿はまるで漫才コンビ。
どんなボケにも対応してくれるのです。
そんなこんなで、なんとか事件を解決する二人。
ですが、その後に博士の正体が発覚します。
その正体を知ると、博士の不思議な力の謎も腑に落ちます。
また、それまでのページに実はヒントが散りばめられていたことにも気付きます。
読み直した時、「あ!」となるのがおもしろいところです。
独特の空気感が癖になる。
最後に「あ!?」と驚かされる妖怪絵本です。
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