あやしい妖怪はかせ(4歳~)

絵本

文:小森香折 絵:西村繁男 出版:アリス館

妖怪のトラブルは妖怪博士におまかせです。

妖怪のことなら何でも知ってる妖怪博士。

おや、今回の依頼者が現れたようですよ。

あらすじ

妖怪博士の家に、モリオという男の子がやってきました。

モリオは「屋根裏に妖怪がいるようだから調べて欲しい」と依頼しました。

早速、妖怪博士はモリオの家に行きました。

家に入るなり、いきなり何かが飛び出しました。

妖怪博士は「妖怪ねこまただ!」と言いましたが、猫のミルクでした。

今度は階段を上がっていると、暗がりから何かが現れました。

妖怪博士は「妖怪おしろいばばあだ!」と言いましたが、モリオのお母さんでした。

屋根裏に到着すると、なにやら鳴き声が聞こえてきます。

さらに、博士が屋根裏に入ると、悲鳴まで聞こえて来るではありませんか。

博士とモリオが声のする方に行ってみると、そこには豆腐小僧が隠れていました。

人間が怖いから、見つからないようにしていたのです。

豆腐小僧が誰にも怖がってもらえないというので、博士は怖い妖怪に変えてあげることにしました。

博士が呪文を唱えると、豆腐小僧は色が変わりましたが、あまり怖くはありません。

そこで、博士がもっと強力な呪文を唱えました。

すると、モリオが一つ目小僧になってしまいました。

その時、妖怪たちがわらわらと屋根裏に押し寄せてきました。

妖怪たちは豆腐小僧を探していたのです。

豆腐小僧は妖怪たちと、無事に帰ることが出来ました。

さて、改めて一つ目小僧になったモリオを戻すために、博士が呪文を唱えました。

モリオは元に戻ることが出来ましたが、同時に博士にも変化が・・・。

一体どうなってしまうのでしょう。

『あやしい妖怪はかせ』の素敵なところ

  • 堂々としているけれど、頼りにならない妖怪博士
  • 冷静にツッコミを入れるモリオくん
  • まさかの博士の正体

妖怪のことならなんでもお任せの妖怪博士。

最初は威厳があったけど、妖怪は間違えるし、呪文も失敗だらけでなんだか頼りになりません。

でも、威厳と堂々とした態度は失いません。

いつも、どこか偉そうです。

この失敗をものともしない博士の姿はどこか憎めず、次はどんなことをするんだろうと、期待してしまいます。

そんな博士のサポート兼ツッコミ役のモリオくん。

堂々と間違える博士に、冷静かつ的確なツッコミをしてくれます。

この二人のやり取りが、テンポよく独特の雰囲気を醸し出してくれています。

その姿はまるで漫才コンビ。

どんなボケにも対応してくれるのです。

そんなこんなで、なんとか事件を解決する二人。

ですが、その後に博士の正体が発覚します。

その正体を知ると、博士の不思議な力の謎も腑に落ちます。

また、それまでのページに実はヒントが散りばめられていたことにも気付きます。

読み直した時、「あ!」となるのがおもしろいところです。

独特の空気感が癖になる。

最後に「あ!?」と驚かされる妖怪絵本です。

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