作:井上洋介 出版:大日本図書
窓から次々と入ってくるオバケ。
でも、みんなどこかで見たことあるものたちばかり。
なんでもオバケになるんだなぁ。
あらすじ
部屋に男の子が一人いる。
その部屋の小さな窓からオバケが入ってきた。
「こんばんは、わしは蛇口のオバケにてそうろう」
次は「三日月のオバケにてそうろう」
さらには「飛行船のオバケにてそうろう」
その後も、草むらのオバケ、汽車のオバケ、歯磨きのチューブのオバケ・・・。
どんどんオバケが入ってくる。
そして、みんなちゃんと挨拶をしてくれる。
『おばけでそうろう』の素敵なところ
- ひたすら出てくるオバケ
- 「こんばんは、オバケにてそうろう」の繰り返し
- オバケへの男の子のリアクション
この絵本、次から次へと休む暇なくオバケが出てきます。
特に物語はありません。
特に意味もありません。
でも、出てくるオバケは多種多様。
バリエーションに富んでいるので飽きさせません。
汽車や飛行船などの乗り物から、扇風機などの家電、草むらなどの自然まで、なんでもオバケになっています。
そんなどんどん出てくるオバケたちには決まり文句があります。
「こんばんは、わしは○○のオバケにてそうろう」
この響きが心地よく、ついつい口に出して言いたくなってしまいます。
また、絵本にテンポ感を出してくれるので、とても読みやすいのです。
さて、オバケに注目しがちですが、男の子も地味に色々なリアクションを起こしています。
何が出てきてもニコニコなのですが、蛇口のオバケが水を出していると傘を差していたり、扇風機のオバケが出てくると風に吹かれていたりと、時々変化があります。
読み返していると気づく面白いポイントです。
不思議なオバケが盛り沢山で笑いの絶えないナンセンス絵本です。
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