作:ジャック・デュケノア 訳:おおさわあきら 出版:ほるぷ出版
大昔の時代の壁画。
その壁画が本当になって、恐竜と会うことが出来たらどんなに素敵でしょう。
そんな願いの叶う絵本です。
あらすじ
古いお城の地下室のトンネルを、おばけのパコーム進んでいきました。
すると、洞穴の壁に絵を発見しました。
原始人が狩りをしている絵です。
パコームが絵を見ていると、絵の中から一人の原始人が飛び出しました。
名前はカベルヌス。
カベルヌスはパコームの先祖で、ここで最初に暮らし始めた人でした。
でも、カベルヌスの前にもここで暮らしていたものがいると言います。
そこでパコームは、何が暮らしていたのか見てみるために、洞窟を抜けて森へと進んでいきました。
森に入ると、大中小の三つの卵がありました。
中くらいの卵を割ってみると、中からベロキラプトルが生まれました。
パコームが背中に乗ると、走り出しました。
次に小さい卵を割ると、プテラノドンが生まれました。
パコームが背中に乗ると、空を飛びました。
大きな卵からはデュプロドクスが生まれました。
とても大きな恐竜でした。
湖にはシーラカンスも泳いでいます。
さらに進んでいくと・・・。
『おばけときょうりゅうのたまご』の素敵なところ
- 絵から始まり、絵で終わる
- 出てくる恐竜が少しマニアック
- 大昔と現在の繋がりを感じさせてくれる
パコームが壁画を見つけるところから始まるこのお話。
最後はパコームが体験したことを絵にして終わります。
この絵が温かみがありとても楽しそうで、素敵なのです。
そして、描く場所にも、ひとつにくい仕掛けがしてあるところも素敵なところ。
「ここに描いたのか!」と最初の場面との繋がりに気付きます。
そんな絵にも描かれる恐竜たちですが、チョイスが若干マニアックです。
最初に出てくる恐竜がまずベロキラプトル。
少し詳しくないとわかりません。
プテラノドンはみんなしっています。
最後はデュプロドクス。
ブラキオサウルスではありません。
この少し斜め上を行くチョイスに、作者のこだわりを感じます。
でも、それぞれ特徴的に描かれたかわいい恐竜を見るだけで、恐竜に詳しくない子もしっかりと楽しめます。
この絵本では恐竜だけでなく、ある植物も出てきます。
この植物がなんと、今も身近にある植物なのです。
これによって、大昔と現在が地続きであるロマンを感じさせてくれます。
わかりやすいお話と、かわいい絵の中に、作者のこだわりや恐竜の時代へのロマンが詰った絵本です。
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