作:せなけいこ 出版:福音館書店
寝ぐせ、ぼさぼさ、伸びっぱなし。
子どもは髪の毛を気にしない子も多いもの。
そんな子どもに、感覚的な「きれい」を伝えてくれる絵本です。
あらすじ
もじゃもじゃはなに?
庭の木、犬の毛、ほどいた毛糸。
もっとすごいのはルルちゃんの頭。
木や犬の毛は切って整え、毛糸は巻いて。
ルルちゃんの頭も髪を切って整えれば、かわいい姿に大変身。
『もじゃもじゃ』の素敵なところ
- 整える気持ちよさが直感的にわかる
- もじゃもじゃと、綺麗にしたあとの差
- ルルちゃんがいつの間にか自分になっている
部屋を綺麗にすることや、身だしなみを整えること。
よく言われるけれど、遊びに夢中の子どもには、そんなことは気になりません。
そんな子どもに、整えることの気持ちよさを感じさせてくれるのがこの絵本です。
もじゃもじゃだったのが、切ったり、巻いたりするとすっきり。
視覚的にとてもわかりやすいので、その気持ちよさが伝わるのです。
そのため、この絵本ではもじゃもじゃはこれでもかというほどもじゃもじゃ。
整えた後はこれでもかというほどすっきり。
その大きな差があることで、小さな子がより直感的に気持ちよさを感じられるのだと思います。
そして、子どもが読んでいるうちにいつの間にか、ルルちゃんと自分を重ねているのもおもしろいところです。
髪を切って、かわいく変身するルルちゃん。
そんなルルちゃんを見て、女の子はルルちゃんと一緒にかわいくなったという反応を見せます。
最後の一文「鏡に映ったきれいな子だあれ?」に「○○ちゃん」「わたし!」と自分のことを口々に言うのです。
こういう変身に憧れているからなのでしょう。
「整える気持ちよさ」という、伝えるのが難しいけれど、伝えたい感覚。
これを小さい子にも直感的に伝えてくれる絵本です。
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