かげはどこ(3歳~)

絵本

文:木坂涼 絵:辻恵子 出版:福音館書店

いつも一緒の影。

同じ動きをしているようで、伸びたり、縮んだり、消えたり、揺らいだり。

実は不思議がいっぱいの影。

そんな影の不思議を改めてよーく見てみる絵本です。

あらすじ

ぼくと影はいつも一緒にいる。

ぼくが走ると影も走る。

ぼくがすべり台に登ると、影は離れる。

でも、すべり台を降りると、影はくっつく。

プールの中の影はゆらゆら。

ぼくが水に飛び込むと、影は粉々。

階段ではママの影はかっくんかっくん。

でも登ると影はまっすぐ。

他にも影は、伸びたり、消えたり、色々な姿を見せてくれる。

『かげはどこ』の素敵なところ

  • よくよく見ると不思議がいっぱいの影
  • 「ぼく」目線で描かれる「教える」ではない「発見」
  • わかりやすくリズミカルな文章

普段当たり前のように一緒にいる影。

いつも同じ動きをしているようで、実は不思議がいっぱいです。

時に伸びたり、縮んだり、消えたり、立ち上がったり。

この絵本はそんな影に焦点を当てることで、その性質の不思議に気づかせてくれます。

読む前と後では、影に対する見方が変わるでしょう。

「本当に伸びてる!」

「ここだといなくなるよ」

など、自分で実験をしだす子も多いです。

そんな視野を広げてくれる内容ですが、「教える」ではないのも素敵なところ。

この絵本は常に「ぼく」という一人称で描かれます。

「ぼく」が気付いた「発見」なのです。

だから、「ぼく」の発見を元に、色々な影の性質を発見していくのもこの本を見ている「ぼく」や「わたし」なのです。

だからこそ、試してみたくなるし、新たな発見で盛り上がるのです。

もう一つの素敵なところは、わかりやすくリズミカルな文章です。

「すべると ぱっ かげくっつくよ」

「みていろ ばっしゃん かげ こなごな」

など、耳に心地よく、聞いているだけで楽しくなってきます。

また、擬音がところどころに使われて、本当にその動きをしているように感じられるのです。

「ぼく」視点で描かれているので、文章もわかりやすく、一緒に発見を楽しんでいる気分にもなります。

一緒にいるのが当たり前の影に焦点を当て、その面白さを一緒に「発見」出来る絵本です。

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