作:くろだかおる 絵:せなけいこ 出版:ひかりのくに
人を驚かす幽霊が、驚かす前から泣いている子どもに会いました。
面倒見のいい幽霊は子どもの話を聞いてくれます。
そんな親切な幽霊と泣き虫な男の子のお話です。
あらすじ
虫歯になった男の子。
歯医者に行くのが嫌で家から逃げ出しました。
とぼとぼ歩いていると柳の下にいる幽霊が心配して声をかけてきました。
痛いのが嫌だから歯医者に行きたくないという男の子に幽霊は言いました。
おばけの国の歯医者にはいい先生がいて、痛くないらしいと。
男の子はおばけの国の歯医者に行くことにしました。
しかし、おばけの国への道は険しく、川を渡り、火の山を進まなければなりません。
そのたびに泣くを手助けしながら、なんとか歯医者へ着くことが出来ました。
果たして、男の子は痛みなく虫歯を治してもらえるのでしょうか。
『ゆうれいとなきむし』の素敵なところ
- 面倒見の良すぎる幽霊
- テンポよくわかりやすいお話
- 古典的で笑えるオチ
顔色も悪く、見るからに不気味な幽霊。
ですが、男の子の話を親身になって聞いてくれ、泣き出すたびに「しょうがないねぇ」と手を貸してくれる面倒見の良さ。
こんな幽霊なら会ってみたいな、話してみたいなと思ってしまいます。
お話の構成も「男の子が泣く」→「幽霊が助ける」という繰り返しでテンポもよく、とてもわかりやすく出来ていて、誰でも楽しめる作りになっています。
そして最後の歯医者に辿り着いてからのオチが古典的故に、みんな楽しめるものになっています。
様々な年齢の子がみんな楽しめる、懐の深い絵本です。
『ゆうれいとなきむし』のおすすめの読み方
- 男の子の意気地なさと幽霊の頼もしさをしっかり対比させて読む
- 背表紙の後日談もしっかり見せる
- 年齢によってはオチのページで少し補足する
男の子の情けなさをしっかり表現して読む→呆れながらも力強く言い聞かせる頼もしさを表現して読む。
この対比をしっかりとつけながら読み進めていくと、よりメリハリがつきテンポよく読むことが出来、子どもを惹きつけられます。
そして、読み終えた後は背表紙を見せることも忘れないようにしましょう。
幽霊と男の子のその後の一コマが描かれています。
オチのページは絵だけで進むので、年齢によっては「あれ?泳げなかったのに」など少しオチの意味を察しやすいように補足していくとより楽しみやすくなるかもしれません。
年齢に合わせて、少し読み方を合わせることでより広く子どもたちが楽しめると思います。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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