作:大島妙子 出版:ひかりのくに
ひげの立派なダルマのだるだるダディー。
顔は怖いけど優しいお父さん。
そんなダディを中心に、だるだる一家の一日が始まります。
「だるまさんがころんだ」のリズムに乗せて。
あらすじ
だるだる一家はダルマの10人家族です。
じいじ、ばあば、ダディー、マミー、5人の兄弟たちに、ベビーが一人。
そんな一家の大黒柱、ダルダルダディーはちょっぴり顔は怖いけど、優しく力持ちのお父さんです。
朝はダディーの一言で、一家がみんな飛び起きます。
「今日は、ピクニックに行くぞー」
元気にもりもり朝ごはんを食べ、おかわりだってたくさんします。
電車に乗って山へ行き、みんなで元気に山歩き。
お弁当の時間には山の動物たちにもおにぎりをおすそ分けします。
動物たちと相撲大会をして、夕方になったから帰ります。
普通に帰ろうと思っていたら、ダディーが何か思いついたみたいです。
どんな名案が浮かんだのでしょうか。
『だるだるダディーとゆかいなかぞく』の素敵なところ
- くせが強くて愛嬌抜群なだるだるダディー
- 場面の見出しが「だるまさんがころんだ」のリズムになっている
- よくみると、たくさんの発見がある絵
見た目からして、インパクト抜群なだるだるダディー。
豪快で、負けず嫌いで、力持ち。
でも、いつも大事にベビーを抱えていたり、動物たちへお弁当を気前よくわけてあげたりと、優しさや気配りも上手なだるだるダディー。
見ていて、こんなに気持ちがいいキャラクターもなかなかいません。
読んでいるうち、このくせの強さと男前のファンになってしまいます。
そんなダディーを中心にしただるだる一家の一日は、「だるまさんがころんだ」のリズムで展開されていきます。
見開き1ページで1場面。
それぞれの場面には「だるまさんが○○」という形で題名がついているのです。
最初は「だるまさんがころんだ」から始まります。
「だるまさんがおはよう」でみんな起き、
朝ごはんを食べて「だるまさんがおかわり」。
「だるまさんがおでかけ」で電車に乗って出発です。
子どもにも馴染みのある言葉とリズムによって、自然に物語が頭に入ってくるのです。
また「だるまさんが・・・」と言われると、自分も言いたくなるのも面白いところ。
ページをめくるたび、子どもたちも「だるまさんが・・・」と真似っこしていました。
さて、ダディーの濃ゆい顔に視線がいきがちなこの絵本ですが、よく見るとページの色々なところが細かく描き込まれていて、色々な発見があるのも面白いところです。
家にこけしだけが大量に飾られた棚があったり、川にカエルとオタマジャクシの家族がいたり、木の上でリスがおしゃべりしていたり、家に着くころにはベビーが寝ていたり・・・。
まだまだ数えきれないほどの発見があります。
そして、その一つ一つが表情豊かに描かれているのは魅力的。
「こんなこと話してるのかな?」「きっと怖いんだよ」などなど、見ていると自然に想像力が膨らみ、ストーリーを考えたくなるのです。
慣れ親しんだ「だるまさんがころんだ」のリズムで進むだるだる一家の楽しい一日。
インパクトのあるダディーの雄姿と、細かくかわいく描き込まれた世界観が両方楽しめる絵本です。
コメント