変化の激しいこれからの時代を生き抜くために過去を見る~歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリに学ぶ~

書籍

「40年後には現在の仕事はほとんどなくなっている」

そんなことを言われるほど、変化の激しいこの時代。

きっと不安になることもあるのではないでしょうか。

自分の将来だけでなく、その先を生きていく子どもへの教育や身に着けてもらいたい力などへの悩みにも大きく関わる部分だと思います。

そんな時に、大きな助けになってくれるのが、実は歴史なのです。

「歴史なんて覚えても意味がない」

学生の時などにそんなことを思っていた人も多いと思います。

しかし、そこには確実に今に繋がる足跡が残されていて、それが現在に繋がっています。

そして、その足跡は未来へと続いていくのです。

歴史を学ぶことは、未来を予測することに役立ちます。

また、過去の過ちを繰り返さないことへも役立ちます。

変化が大きくて、先の見えない今だからこそ、よりよい未来を歩むために歴史を学ぶことはとても意義のあることなのです。

今回は現在~未来へ繋がる歴史を、世界中の人に届けてくれている歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの書籍を元にお話しできればと思っています。

歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリのすごいところ

ユヴァル・ノア・ハラリはイスラエル人の歴史学者です。

オックスフォード大学で歴史を教えていて、現在はヘブライ大学で歴史を教えています。

この人のすごい所は、

  • 物凄く幅の広い知識量
  • 過去の歴史と現在の状況、そして未来予測まで、一本に繋がっている歴史観
  • この壮大で緻密な歴史を、大衆にもわかりやすく伝える力
  • 新しい視点を提供しつつも独善的にならない

まず、物凄く幅の広い知識量です。

歴史学を中心に歴史を紐解いていくのですが、そこには物理学、生物学、天文学、最新のテクノロジーまで全ての学問が用いられているのです。

それはすなわち、語る歴史がしっかりとした根拠に基づく客観的なものであることを意味しています。

これにより、語る言葉に物凄く説得力があるのです。

そして、この歴史を現在に繋げて考え、さらには未来を見通すための道具として使うという、実用性のある学問であることを示してくれます。

「歴史は学んだけど、何に使えるの?」

そんな疑問を払拭してくれるのが、ユヴァル・ノア・ハラリの歴史学なのです。

過去から連綿と繋がっている歴史。

それは現在とも未来とも地続きであることを、要所要所で示してくれます。

さらにすごいところは、これらの壮大で緻密な過去~現在~未来にまたがる歴史~予測を、学問をやっている人だけでなく、広く一般の人がわかるように伝える力です。

  • 概念は、例え話などを上手く使い、物凄くわかりやすく解説してくれる。
  • 文章は平易で、引っかからずにするする読める。
  • 言い回しが知的で面白く、読み物として面白い。

これらにより、多くの人が楽しみながら学べるものになっているのです。

ただ、ユヴァル・ノア・ハラリの歴史観は、これまでの常識的なものではありません。

そこには常に疑いの目が向けられています。

  • 文明の発達や大航海時代により、地球上の生態系を大きく変えた→原始時代から多くの絶滅を引き起こしている。
  • 農耕文明は発展か?→種族としては発展でも、個人としてはどうだったのだろう?
  • 宗教と株式会社は同じ原理で存在している。

などなど、著者ならではの視点がふんだんに盛り込まれているのです。

しかし、これがトンデモ理論にならず、地に足のついたものになっているのは、先に述べた知識量や、根拠を明示している姿勢によるものだと思います。

これにより、著者の意見をただ受け入れるのではなく、その根拠を元に自分で考え判断していく

自分で世界を見るためのヒントや物差し的な立ち位置となっているのです。

ここからはユヴァル・ノア・ハラリの著書3部作を紹介していきたいと思います。

過去~現在までの歴史を紐解く『サピエンス全史』

『サピエンス全史』は原始時代から始まります。

狩猟採集生活から~農耕革命へ。

さらに世界が統一されていき、科学革命へと繋がっていきます。

その全ての歴史を概観しながら、

  • なぜそれが起こったのか?
  • それがどんな影響を及ぼしたのか?
  • 現在へどんな影響を残したのか?

といったことにも、著者の意見を交え、根拠を示し紐解かれていきます。

未来を見通す『ホモ・デウス』

過去を見通した『サピエンス全史』を前提として、未来について書かれたのが『ホモ・デウス』です。

多くの困難をテクノロジーで解決してきた人類。

そんな人類が次に目指す目標はなにか?

著者は「神になること」だと予測します。

現在の最新科学やテクノロジーと、過去に人類が辿ってきた思考の軌跡を元に、数世紀単位の大きな未来予測が展開されていきます。

その未来予測は、現在の世界を見る視点にも大いに役立つことでしょう。

直近の過去~現在~少し先の未来を考える『21Lessons』

過去の歴史を紐解いた『サピエンス全史』。

遠い未来を予測した『ホモ・デウス』。

そして、現在~近い未来にフォーカスしたのが『21Lessons』です。

ここでは現在の世界の動きや課題に基づいた、21世紀を生きる中で持っていた方がよいと考えられる思考や、ものの味方について語られます。

そこでは「こうした方がいい」という考え方が語られるだけでなく、

  • その考え方がなぜ必要なのか?
  • その考え方がなかったために起こったこと、起こっていること
  • この考え方がないとどんな未来になる可能性があるのか?

といったことが具体的に、掘り下げて示されていきます。

きっと自分の視野を世界、もしくは宇宙まで広げてくれることでしょう。

まとめ

どうやって役立てていいかわからない人も多い歴史学。

しかし、過去を学ぶことは、現在を見据え、未来へ目を向ける時、(それが歪曲されていない事実であれば)なによりも確実で参考になるものなのです。

正しい歴史から現在や未来を見る有用性をこれでもかと示してくれるユヴァル・ノア・ハラリ。

この著者の視点を通して、ぜひ一度世界の歴史を見返してみて欲しいと思います。

きっと、大きく歴史や世界の見方が変わる体験があなたを待っていることでしょう

参考文献

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