短所は長所!存在しない平均点

雑記

お元気様です!

登る保育士ホイクライマーです。

少しずつ暖かくなり、春の足音を感じる今日この頃。

保育園の子どもと散歩に出かけると、綺麗に手をついて転んだ男の子。

「大丈夫?」と聞くと、「大丈夫!ほら、ひざはぶつかってないから!」

少し行くとまた転んだ男の子。

今度はひざもついていたので、「大丈夫?今度はひざもぶつけてたけど?」と聞くと、「大丈夫!頭ごっちんしてないから!」

めちゃめちゃポジティブ!!!

さて、このエピソード、おそらく2種類の受け取り方があると思います。

一つは「すごいポジティブシンキング」

もう一つは、「も~、ああ言えばこう言う」

どちらで受け取るかによって、きっと反応も違ってくるでしょう。

今回したいのはまさにこれ!

長所と短所は表裏一体

見方によって、長所にも短所にもなるということです。

さらに、短所を「人並み」にという考え方にも切り込んでみたいと思います。

この記事は、

  • あの子は、出来ないことばっかり・・・。
  • 普通にできるようになってくれればいい。
  • みんなと同じようになってほしい。

そんなことを考えてしまう方に、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。

読めば、きっと今まで見えていなかった長所が、見えるようになると思います。

長所は短所、どちらも個性

さて、まずは長所と短所がどういうものか見てみましょう。

それはどちらも特性の中で出っ張った部分です。

出っ張った部分は目立つので、目につきます。

ここで、それが長所となるか、短所となるかは環境で変わります。

例えば、

「色々なものに即座に興味が向く子」がいたとします。

じっと座って話を聞くのが大切な環境だったら、「落ち着きのない子」という短所とみなされる可能性が高いでしょう。

でも、戸外活動など自由に動き回れる環境だったらどうでしょう?

その子は、虫や花を見つけたり、すぐに変化に気づくみんなの人気者になるかもしれません。

こうなると長所になるでしょう。

「行動がゆっくりな子は」どうでしょう?

タイムスケジュールがタイトな待てない環境であれば、「やることが遅い」と急かされる短所になることでしょう。

逆にしっかり待ってもらえる環境であれば、「ゆっくりだけど、とても丁寧」という長所になるかもしれません。

このように、長所と短所はともに個性なのです。

それをどう見られるか、受容されるかによって変わるだけなのです。

普通という幻想・・・、存在しない平均点

さて、短所として認識した場合、多くの場合、それを普通や平均点に近づけようとします

特に、勉強などは明確に点数に現れるので、その傾向は強いと思います。

しかし、よく考えると、普通や平均点の罠が見えてきます。

ここに二人の子どもがいます。

一人はテストで100点。

もう一人はテストで0点でした。

二人の平均点はいくつでしょう?

そう、答えは50点です。

しかし、50点の子も、それに近い点数の子もいません。

極論に聞こえるかもしれません。

では、全国共通テストなど、大勢で受けるものを考えてみましょう。

ある教科の平均点が50点だったとします。

もし、平均点以下の子が、平均点を目指して、全員50点ぴったりを取ったら、みんな平均点の子になれるでしょうか?

もちろん、なれません。

そうなった場合、平均点が上がるからです。

残念ながら、頑張って50点を取った子は平均点以下になります。

このように、普通、平均、人並みというのは幻想です。

相対評価で、平均点を目指すというのは、長所も短所も平らにしていくようなものなのです。

そうはいっても、中々見方を変えられない方も多いでしょう。

そんな方に試してみてほしいアクションプランを紹介していきます。

子どもと改めて向き合うことで、見えていなかった個性が見つかるかもしれません。

アクションプラン1:長所を挙げてみる

まずは短所を棚の上に上げておいて、長所を挙げてみましょう。

  • 運動は苦手だけど、身体を動かすのは好き
  • 周りが見えなくなるほど集中できる
  • 好奇心が強くて、なんにでも関わろうとする

などなど、個性の中で長所に感じられるところを探していきます。

アクションプラン2:短所を長所に言い換えてみる

長所がいろいろ見つかったら、短所を長所に言い換えられないか考えてみましょう。

  • とてもゆっくりだけど、丁寧
  • 友だちとあまり遊ばないけど、一人遊びにはものすごく集中する
  • 我が強いのは、自己主張がしっかりできる証拠

など、短所を長所に言い換えてみると、どんな場面で長所になり短所になるのか見えてきます。すると、個性を多角的に見られるようになるのです。

アクションプラン3:環境を変えることも考えてみる

さて、多角的に見られるようになったら、長所が活かされる環境なのか、短所が活かされる環境なのかを見極めることが大切です。

もちろん、ある程度環境に自分を合わせたり、上手くやり過ごす力も必要です。

でも、あまりにも短所がクローズアップされたり、受容度が低すぎる環境にいるなら、環境が与えている要因を考えてみるのも必要でしょう。

短所ばかり指摘され続けると、子どもは(大人も)自信を失います。

自信を失うと、長所が見えなくなってしまいます。

その前に、環境を見直してみましょう。

幸いにも、世界には無限にも思えるほど、様々な環境が広がっているのですから。

21世紀に必要な力

さて、短所を埋めて平均化することを「よいこと」とする考えは、高度成長期に形作られたものだと考えられます。

高度成長期に必要とされた能力の大部分が、組織の一部として、そつなく仕事をこなせる能力でした。

そこでは、でこぼこのある個性より、なだらかな「普通」が必要とされたのです。

しかし、時代は変わりました。

単純作業はどんどん機械に置き換わっていきます。

今の子どもたちが社会人となる、10~20年後はさらに社会の環境は変わっているでしょう。

そこで必要とされる力は、なだらかな「普通」よりも、でこぼこのある個性になると予想されます。

現在でさえ、個性を活かし、新たなサービスや価値を生み出す人の姿は目に見えて増えているでしょう。

保育や教育、子育てにも、子どもたちが生きる社会は21世紀の社会であるという視点は必要なのではないでしょうか?

幅広い環境を選べる時代

最後に、現代は選べる環境の幅が大きく広がった時代です。

それはインターネットの普及により、個人の可能性が広がったことが非常に大きく重要です。

例を挙げればきりがありません。

  • 自閉傾向の集中力を活かして、プログラマーになる
  • 集団が苦手だから、フリーランスで働く
  • 学校の生活にはなじめないけれど、オンライン講義で好きなように勉強できる

といったように、過去には無かったり、ハードルの高かった環境も、工夫次第で比較的簡単に選べるようになっています。

しかし、子どもだけで選ぶことは難しいのも事実です。

だからこそ、子どもを見守る大人が視野を広げて、固定観念に囚われずに、子どもの長所を見ていく必要があるのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

当たり前のように使っている評価基準。

「長所」「短所」「普通」「平均」・・・。

それらは、子どもたちがより良く生きていくためのものだと思います。

周りの大人たちの、子どもを大切に育てるための願いであることもわかります。

でも、これらには大人の主観が大きく影響しているということにも、気付くきっかけとなれば嬉しく思います。

今は激動の時代です。

今の子どもたちが生きる時代は、おそらく「当たり前」が通用しない時代になるでしょう。

安定の基盤であった終身雇用も崩れ、これまでよりも多くの人生の岐路に立たされることになると思います。

そんな時代に合わせ、大人の「当たり前」や「普通」も、アップグレードする必要があるのではないのでしょうか?

子どもが変化に対応していくように、大人も考え続け変化し続けないといけない時代に来ているのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました