作:ターシャ・テューダー 訳:ないとうりえこ 出版:メディアファクトリー
数字って、丸暗記してもあんまり意味がありません。
特に子どもにとってはなおさらです。
数字の形と読み方と、それを使った数え方。
これを綺麗に融合させた絵本です。
あらすじ
1はいち。
お皿の中で泳ぐアヒルの子、一羽
2はに。
願いをかけて引っ張るとほねは裂けて、二本
3はさん。
青い空に飛び立つツバメの子、三羽
4はよん
麦畑で草食べる羊、四匹
5はご。
まあるい巣の中に卵が、五個
・・・20はにじゅう・・・。
『ターシャのかずのほん』の素敵なところ
- 数字と使い方が結びつく
- 読んでいると一緒に数えたくなる
- 美しい見ているだけうっとりする絵
この絵本の素敵なところは、数字を単体で扱っていないところです。
「1」という数字の形。
「いち」という読み方。
絵の中にいる一羽のアヒル。
というように、書き方、読み方、使い方が一つになっているのです。
生活の中で数字を使う時って、何かを数える時。
単体で使うことって、算数などのいわゆる「お勉強」の時くらいなんです。
この絵本では数字が数えることと結びついているので、自然と使いたくなるのです。
それは読んでいる時の子どもの反応からもわかります。
この絵本を読んでいると、自然に数え始めるのです。
数字を数えられない子は指差しで。
少し数えられる子は大雑把に。
数字を数えられる子は、本当にその数いるか確かめるように。
そして、確かめた後「ほんとに6人いる!」と嬉しそうに教えてくれます。
そんな自然に使いたくなる、数えたくなる魅力があるのです。
でも、数えなくてもこの絵本は楽しめます。
それは生き生きとした美しい絵を見られるからです。
毛並みまで描かれ、フワフワな動物たち。
天使のような可愛い子ども。
美味しそうな果物。
美しく咲く花。
どれもが本物のようで、手を触れたくなるほど生き生きと、色彩豊かに描かれているのです。
ページをめくり、絵を見るだけでもうっとり。
絵から数字へ。
数字から絵へ。
と、双方向に興味が向くのも、この絵本の魅力だと思います。
数字を知るだけでなく、数えて使うこと。
それを生き生きとした美しい絵とともに、自然と身に着けていくことが出来る絵本です。
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