作:おおのこうへい 出版:PHP研究所
ショートケーキには、イチゴが一つ乗っているのが定番です。
でももし、イチゴじゃない赤いものを乗せてみたら・・・。
どんなことが起こるのか、色々乗せていきましょう!
あらすじ
昨日の夜に食べたショートケーキの余りが一つ。
お兄ちゃんと妹がケーキを半分こしようとしますが、上に乗ったイチゴが潰れてしまいそう。
その時、ある考えが浮かびます。
「イチゴじゃない赤いものを乗せたら、もっと美味しくなるのかな?」
例えば・・・
ミニトマトのショートケーキ。
大きさはちょうどいいけれど、味はイマイチな気がする。
梅干しのショートケーキ。
これも大きさはちょうどいいけれど、すっぱ~い。
唐辛子のショートケーキ。
辛すぎて、甘いケーキの意味がない。
でも、なんだかおもしろい。
もっと、色んな赤いものを乗せてみよう。
ダルマ、けん玉、風船・・・。
どんなショートケーキになるのでしょう。
『ショートケーキになにのせる』の素敵なところ
- 思いもよらないものを乗せてくる
- 絵のインパクトが強すぎる
- プロ顔負けのリアクション
この絵本、ショートケーキに乗せるもののバリエーション本当に多種多様。
「赤い」という縛りこそあるものの、そのほかはなんでもありの、まさに異種格闘技戦です。
その発想力と頭の柔らかさには脱帽で、食べ物から、道具、生き物までなんでも乗せてきます。
どうなるのか予想がつくものから、まったく予想がつかないものまで乗っかります。
子どもたちも一つ乗せるたび大盛り上がり。
「絶対辛いよ!」
「飛んでっちゃうよ!」
「だるまって食べられるの・・・?」
などなど、リアクションも様々です。
ただ、何を乗せても変わらないことが一つあります。
それは絵のインパクトが強すぎること。
乗せた後のショートケーキの存在感はまさに異様。
ショートケーキとは思えないほどのインパクトがそこにはあります。
だるまの鎮座するショートケーキ。
唐辛子が花のようにデコレーションされたショートケーキ。
けん玉の剣が突き出て、玉が結ばれているショートケーキ。
「これはショートケーキなのか?」と哲学が出てきそうなほど、ショートケーキの概念を怪しくするものばかりです。
でも、これだけでは終わりません。
このインパクトを上書きするほどのリアクションを、兄妹が見せつけてくれるのです。
おばあちゃんのようにしわしわになるすっぱい顔。
火を噴く辛い顔。
など、芸人顔負けの表情とリアクションで大爆笑を巻き起こしてくれます。
この顔を見ているだけで、十分に楽しめるほど。
子どもたちもお腹を抱えて笑います。
余計なことを考えずに、純粋に笑えるのがこの絵本のとても素敵なところです。
予想外過ぎるショートケーキの数々と、それに対するリアクション。
笑いが起こらないわけがない鉄板の大爆笑絵本です。
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