作:林なつこ 出版:株式会社マイクロマガジン社
おばけの世界にも料理があります。
でも、もちろん食材も普通ではありません。
一体どんな食材を使いどんな料理を作るのでしょうか。
あらすじ
ここは夕暮れ時の畑。
でも、普通の畑とはちょっと違います。
そこに子どもが一人、野菜を取りに来ました。
最初に現れたのはろくろっきゅうりにきゅうりのきつね。
しかし、子どもが呪文を唱えると、おばけたちは消えてしまいました。
大根おばけも呪文で退治して進んでいくと、おばけたちが一斉に目の前に。
呪文を唱えひるんだすきに、ニンジン、ジャガイモ、たまねぎのおばけを捕まえました。
目的を達し、家に帰ろうとしたところに、すいかっぱがつるを伸ばして・・・。
ずってーん!
つるに足を取られて転んでしまいました。
しかし、起き上がった子どもを見て、すいかっぱがびっくり仰天。
一体どうしたというのでしょう。
そして、どんな料理が出来るのでしょうか。
『おばけばたけ』の素敵なところ
- 洒落のきいたネーミングと文章
- かわいい絵だけれど、不気味さを忘れていない
- ユーモアがたっぷり盛り込まれている
だいこんおろち、おにびオニオン、のっぺらポテトなど、おばけ野菜のネーミングがおもしろい。
それを表現した絵もいい味を出しています。
また、文章の中にも「ひゅ~どろどろ、どろだらけ~」や呪文に「きゅうりのいたずり」など野菜の下ごしらえが入っているなど、洒落とユーモアがたっぷり。
思わず真似したくなってしまいます。
そして、かわいい絵ながらも、男の子の表情や絵の雰囲気になんとも言えない不気味さがあり、笑いが起こりながらもおばけの絵本であることを忘れません。
また、作った料理が迷路になっていたり、最後の見開きのページを本物の料理の後ろに立てて写真を撮るとおばけ料理になる仕掛け。
さらに、綺麗に撮るためのコツが表紙の折り返しに描いてあるなど、遊び心満載です。
わかりやすく、おもしろい。気軽に読めるおばけ絵本です。
『おばけばたけ』のおすすめの読み方
- 男の子やおばけになりきって演じる
- 呪文の所は男の子の真似をしながら読んでもいい
- 全体的に不気味な雰囲気で
驚かしてくるおばけと男の子やり取りが楽しい絵本です。
それぞれのセリフはなりきって読んでいきましょう。
呪文を唱える場面では、男の子の仕草を真似してもよいと思います。
子どもと一緒にやってみても盛り上がることでしょう。
しかし、ナレーションなど全体的には不気味な雰囲気で読んでいくとよいでしょう。
料理を作る場面なども、魔女が料理を作るような雰囲気を出していくと、よりおばけの料理という感じが出るのではないでしょうか。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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