きょうりゅうのたまご(4歳~)

絵本

作:なかがわちひろ 出版:徳間書店

ある日、目の前に恐竜が現れたら。

その恐竜と、迷子の卵を探す旅に出かけることになったら。

そんなワクワクとドキドキが叶ってしまう、夢のような絵本です。

あらすじ

ある日、朝起きると、窓から首の長い恐竜が顔をのぞかせた。

恐竜は自分の卵を探していると言った。

ぼくの部屋から、恐竜の臭いがしたみたい。

ぼくは恐竜の背に乗って、迷子の卵を探しに行くことにした。

まずは恐竜のテーマパークへ連れていった。

でも、恐竜は「ちっとも恐竜臭くありません」と首を振った。

次に博物館へ連れていき、化石を見せた。

恐竜は「臭いはするけれど、とても悲しい臭い」だと泣いた。

卵はうきうきする臭いなのだと言う。

それを聞いて、ぼくは思いついた。

連れていったのは工事現場。

ぼくはショベルカーに乗り込み穴を掘って、恐竜と一緒にぐんぐん地面に潜っていった。

掘り進んでいった先に、恐竜の卵はあるのでしょうか。

『きょうりゅうのたまご』の素敵なところ

  • 憧れの夢のような展開
  • 当たり前のように街に溶け込む恐竜
  • 恐竜+ショベルカーという贅沢過ぎる地中探検

朝起きたら、自分の部屋を恐竜が訪ねてくる。

聞いただけで、ワクワクする出会いです。

恐竜好きも、そうでない子も、胸がときめいてしまうでしょう。

さらには背中に乗って一緒に歩き回り、卵を探すというのですからドキドキも止まりません。

窓からにゅっと入ってくる恐竜の頭の大きさ。

街中を歩く恐竜の雄大さと、そこに乗る自分の存在感。

これらの構図も完璧で、胸が躍ってしまうのは当たり前です。

こうして街に繰り出す恐竜とぼくですが、それを見て驚く人は一人もいません。

恐竜が道路を歩いていても、車は混乱なく走っているし、特別恐竜を見上げる人もいません。

ベランダのお母さんは普通に洗濯物を干しています。

一頭しかいない恐竜が、普通に街に溶け込んでいる。

この世界観が、不思議であり、魅力的でもあるところです。

特別な存在ではあるらしく、テーマパークではお客さんが恐竜と記念撮影しています。

博物館では女の子が恐竜のことを、守衛さんに聞いたりもしています。

でも、入場を拒否されたり、混乱が起こることもない不思議さがあるのです。

そんな中、卵の在処として、目星をつけたのが地中です。

工事現場に行ったぼくは、当たり前のようにショベルカーに乗り込みます。

これには子どもたちもびっくり。

「すっげぇ!」

「運転できるんだ!」

と、憧れを隠し切れない声が上がります。

恐竜を連れて、ショベルカーで地面を掘り進む。

こんな憧れの塊みたいな探検が目の前で起こるのです。

そりゃ、テンションも上がります。

掘り進んでいく中でも、財宝を見つけたりと様々なことが起こります。

もうワクワクが止まりません。

「キラキラしてるの宝石かな?」

「狭そうだけど大丈夫かな?」

すっかり一緒に地中にいる気分になってしまうのです。

恐竜との出会いと、卵探しの探検を通して、ショベルカーまで運転してしまう。

「こんなこと起こったらいいな」という憧れが、はち切れんばかりに詰まった絵本です。

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