作:塚本やすし 出版:富山房インターナショナル
感謝の言葉「ありがとうございます」。
でも、忘れがちでもある言葉。
特に、当たり前のことに対しては・・・。
あらすじ
おじいちゃんが「ありがとうをたくさん言うと、気持ちがよくなるよ」と言っていた。
なので、ぼくは今日一日、ありがとうをたくさん言おうと思いました。
朝が来てありがとう。
小鳥さんありがとう。
太陽さんありがとう。
朝ごはんありがとう。
うんちが出てありがとう。
歯ブラシさんありがとう。
タオルさんありがとう。
行ってきます!でありがとう。
散歩をしてありがとう。
スズメさんありがとう。
お花さんありがとう。
子犬さんありがとう・・・。
まだまだ、たくさんのありがとうが一日の中には詰まっています。
『ありがとうございます』の素敵なところ
- なんでありがとうなのか考えさせてくれる
- 当たり前って、実は当たり前じゃない
- ありがとうの素敵なパワー
この絵本では、本当にたくさんのありがとうが出てきます。
朝起きてから、夜寝るまでの全てのことへ一個一個ありがとうを言って行きます。
朝ごはん、「行ってきます!」、顔を拭くタオル。
いつもは意識していないことへも、ありがとうを言ってみます。
すると、自然と「なんでありがとうなんだろう?」と疑問が湧いてくるのです。
深く考えてみると、そこにはたくさんの人や物が影響していることがわかります。
朝ごはんは作ってくれる人がいて、食べ物があるから出てきます。
「行ってきます!」は、見送ってくれる人がいたり、行くところがあるから出てくる言葉。
タオルは、作ってくれる人、売ってくれる人、家に用意し洗濯してくれている人がいるから、気持ちよく使えます。
そんな風に、ありがとうの理由を考えていくと、当たり前なんてないことにも気付かされるのです。
色々な助けを借りて、労力を使って、様々な流れを経て、今自分の前にあるのだと。
それはとてもすごいことで、恵まれていることなのだと。
そう考えると、生活の中の様々なものの見方が変わってくるでしょう。
そういった気付きをくれるのが、この絵本のとても素敵なところだと思います。
そして、「ありがとう」をたくさん言うようになると、ある変化が起こります。
それは、自分も周りも気持ちがよくなるということ。
言う人も、言われる人も、心が温かくなる。
そんな「ありがとう」の持つパワーを、感じさせてくれるのです。
一日の中のありがとうが、たくさんたくさん描かれる。
自分もいろんなことに、ありがとうを言いたくなる絵本です。
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