うそつきのつき(5歳~)

絵本

作:内田麟太郎 絵:荒井良二 出版:文溪堂

このおじさんは笑いません。

どんなに面白いダジャレを言われても笑いません。

なぜならこのおじさんは・・・。

あらすじ

あるところに、お月様の顔をしたおじさんがいました。

このおじさんは笑いません。

ニワトリが二わ、トリをかっていても。

ウサギが、ウとサギに威張っていても。

カメが、かめをかめないでいても。

このおじさんはなんで笑わないんでしょう?

それは・・・。

『うそつきのつき』の素敵なところ

  • たくさん出てくるダジャレたち
  • 気になり過ぎる笑わないおじさん
  • ダジャレで明かされるおじさんの正体

この絵本にはたくさんのダジャレが登場します。

面白いのはこのダジャレが、少し高度なこと。

「布団が吹っ飛んだ」

のような勢いある一言ダジャレではなく、

「オオカミのおかみが、黒髪のおかみでも。」

のように、文章の中に散りばめられているのです。

これにより、「爆笑!」というよりも、「なるほど~」という面白さがあるのです。

でも、この絵本、ダジャレにばかり集中できません。

なぜなら、おじさんの存在が気になり過ぎるからです。

なにがあっても笑わないおじさん。

「このおじさんは笑いません」

と言うたびに、「なんで!?」と子どもの声が入ります。

ダジャレの面白さと、笑わないおじさんの謎に大忙しなのです。

そんなおじさんの正体は、最後に明らかにされます。

もちろん、これもダジャレです。

普通なら「変なの~」とか「ダジャレじゃん!」という子どもたちですが、「あ~、そういうことね!」と子どもたちも素直に納得。

ここまでたくさんのダジャレを見てきたことで、ダジャレ脳になっているみたいです。

最初から最後までダジャレ尽くしの内容に、すっかりダジャレが当たり前になってしまう。

静かで知的な面白さがあるダジャレの絵本です。

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