どこへいくの?ともだちにあいに!(3歳~)

絵本

作:いわむらかずお エリック・カール 出版:童心社

歌の上手な友だちに会いに行く動物たち。

二つの絵、二つの言語で、お互いに絵本の両側から会いに行きます。

まさに、友だちに会いに行くように!

あらすじ

イヌが歩いていると、ネコが声をかけてきた。

「どこへ行くの?」

イヌは答えた。

「友だちに会いに!」

すると、ネコが聞いた。

「どんな友だち?」

イヌは言った。

「歌がうまいんだ。」

ネコが「歌なら私も大好き。ニャオニャオニャオ。私も会いたいな。」

と言うので、イヌは一緒に行くことにした。

歩いていくと、ニワトリが声をかけてきた。

「どこへ行くの?」

ネコが答えた。

「友だちに会いに!」

すると、ニワトリが聞いた。

「どんな友だち?」

ネコは言った。

「歌がうまいんだ。」

ニワトリが「歌なら私も大好き。コッコッコケーコ。私も会いたいな。」

と言うので、イヌとネコは一緒に行くことにした。

さらに歩いていくと、ヤギが声をかけてきた。

その次はウサギも。

会いに行く友だちは、一体どんな友だちなんでしょう。

『どこへいくの?ともだちにあいに!』の素敵なところ

  • わかりやすく楽しい繰り返し
  • 二つの国の友だちが絵本の中心で出会う仕掛け
  • 二つの国の違う所と同じ所が自然に感じられる

この絵本は、色々な動物たちと出会う繰り返しで出来ています。

会うたびに、同じやり取りで進んでいく物語。

とてもわかりやすく安心感があります。

その中で、動物たちが特徴的な鳴き声で歌ってくれるのも楽しく、真似して一緒に歌いたくなってしまいます。

また、この絵本では、このわかりやすさが、もう一つ大きな意味を持っています。

それは英語の全く同じ物語が、絵本の反対側から展開されるからです。

このわかりやすさのおかげで、英語で読んでみても、子どもたちが話の内容を予想できるのです。

「今、どんな友だち?って言ってる!」

「歌が好きって言ってるよ!」

など、英語で読んでいてもわかることが、嬉しそうでもありました。

さて、この絵本には面白い仕掛けが施されています。

それが、二つの絵本が一つになって、絵本の中心で出会うというものです。

この絵本には表紙が二つあります。

右開きで読むと、いわむらかずおさんの絵で描かれた、日本語の絵本。

左開きで読むと、エリック・カールさんの絵で描かれた、英語の絵本。

両方とも全く同じ内容で進んでいき、中心で出会います。

なんだか、物語の人物と一緒に、いわむらかずおさんと、エリック・カールさんが待ち合わせをしているよう。

出会えた嬉しさや、一緒にいる楽しさが伝わってくるのです。

そんな二つの言葉で出来ているこの絵本。

二つの国の同じ所や違う所が自然に感じられるのも、この絵本のとても素敵なところです。

物語を通して感じられる、楽しい、嬉しい、歌が好きという気持ち。

それは英語でも日本語でも全く変わりません。

でも、全部同じわけでもありません。

それが動物の泣き方です。

イヌは「Bow Wow Wow」。

ネコは「Meow Meow Meow」。

ニワトリは「Cock a doodole doo」。

と、似ているものから、全然違うものまで。

子どもたちも、

「鳴き方が全然違う!」

「ネコは似てるね。」

「変な声ー」

など、驚いていました。

二人の作家、二つの言葉、二つの絵、二つの物語。

それらが、絵本の中で本当に出会い、歌い、踊る。

夢と未来の詰まった仕掛け絵本です。

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