絵・文:おのちよ 出版:至光社
忙しい家事に育児。
猫の手も借りたいくらいです。
そんな時、本当に手を貸してくれるネコが現れました。
あらすじ
ある日、トラネコが現れた。
猫の手のネコで、お手伝いしてくれるという。
赤ちゃんをおんぶしながら、ほうきで掃除。
そのまま洗濯ものを干し、赤ちゃんをあやして遊んでくれる。
お風呂にも入れてくれた。
赤ちゃんと一緒に花畑で遊ぶけど・・・。
ネコはちょっと眠くなって・・・。
でも、お手伝いはまだまだある。
おたすけねこさんの、忙しい一日は続きます。
『おたすけねこさん』の素敵なところ
- ネコの優しく一生懸命な姿がかわいい
- お母さんのすることの多さと大変さがわかる
- 読むと心がほっこり優しい気持ちになる
この絵本は表紙からもわかるように、まずネコが可愛すぎます。
絵本の中ではもっとかわいく、二本足で立ち、一生懸命に家事をする姿が印象的です。
その背中には、いつも赤ちゃんをおんぶしているのも素敵なところ。
家事だけでなく、赤ちゃんのお世話もたくさんしてくれます。
「ちょちちょちあわわ」であやしたり、一緒にお散歩に行ったり、お風呂に入ったり。
おんぶして家事をしている時も、子守唄を歌ってくれたりと、本当のお母さんのような愛に溢れています。
赤ちゃんも幸せそう。
でも、ネコだってやっぱり疲れて眠くなることも。
そんな姿もかわいくて、子どもたちからも、
「頑張ったもんね」
「少しお昼寝したらいいよ」
と、ねぎらいの言葉が。
子育てしながらの、家事は大変なのです。
この絵本ではネコの姿を通して、お母さんの仕事の多さも垣間見ることが出来ます。
今日はネコさんがお助けに来てくれたけれど、いつもは一人でやっているのだから大変です。
そりゃ、お昼寝もしたくなるし、夜はうとうとしてしまいます。
もしかしたら、おたすけねこさんの姿を見て、自分がおたすけねこさんになってくれる子も出てくるかもしれません。
さて、この絵本の一番素敵なところ。
それは読むと、心がとても温かく優しい気持ちになるところです。
「どこがどうだから」と、具体的には言えません。
優しく温かな絵。
赤ちゃんに語りかけるような柔らかい言葉。
程よい脱力感。
たまに出てくるお母さんの目線。
かわいく子どもらしい歌。
きっと、全てが融合してこの素敵な空気を作り出しているのだと思います。
読めば、肩の力が抜け、気持ちがほっこりするでしょう。
おたすけねこさんの、可愛くて優しい赤ちゃんと関わる姿を通して、見ている人の心まで優しく、温かくしてくれる絵本です。
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