星空キャンプ(5歳~)

絵本

作:村上康成 出版:講談社

大自然の中で、過ごすキャンプ。

そこでの時間は、自分も自然の一部だと実感させてくれるもの。

この絵本で、1週間の長くて短いキャンプを、体験してみましょう。

あらすじ

お父さん、お母さん、娘のミナの3人はキャンプに来ていました。

ある夜。

テントの中で寝ていたミナは、枝の折れる音で目を覚ましました。

すぐにお父さんを起こしたが、どうやらシカだったよう。

湖のほとりにキャンプに来て、1週間が経ちます。

3人は目が覚めて、この一週間のことを話し始めました。

月曜日。

ここへ来た日。

水のきれいさや、大きなマスに息を呑みました。

ボートで湖へ出て、釣りをします。

火曜日。

ガンの家族がテントの側にやってきました。

ミナはテーブルの上に登ってしまいましたが、お父さんが「もう少しここにいていいですか?」と聞き、しばらく一緒に日向ぼっこをしました。

水曜日。

ちょっと遠くまで出かけると、小さな湖が一つだけあり、風も音もありませんでした。

静かで、時が止まったようでした。

木曜日。

ハンモックでウトウト。

金曜日。

キイチゴ摘みに出かけます。

自然の美味しさと、チクンとしたトゲを味わいます。

土曜日。

男の子の友だちが出来ました。

男の子は、イトトンボの幼虫が羽化する所を、見せてくれました。

そして、今日の日曜日。

お父さんがとうとうマスを釣りました。

45センチのいいマスでしたが、ふと見ると、隣のおじさんが80センチのマスを釣り上げていました。

その夜、シュラフに仰向けになり、話しました。

動物や色々な生き物が、同じ空気を吸って、今一緒だということを。

そして、電気を消し・・・。

『星空キャンプ』の素敵なところ

  • キャンプの一週間を体験できる
  • 自然の中で感じる様々な感覚を味わえる
  • キャンプを通して、自分も自然の一部だと感じられる

この絵本では、キャンプをしている一週間を、一日一日ゆっくりと味わうことが出来ます。

釣りをして、動物と触れ合い、探検をして、休憩する。

そこでの暮らしを、この家族と一緒に過ごすことが出来るのです。

言葉が多すぎないのも素敵なところで、自然の静けさや、環境音が自然と聞こえてくるよう。

ページを見ているだけで、色々なことが想像出来てしまいます。

この一週間を通して、自然の中ならではの感覚をたくさん味わえるのも、素敵なところです。

息を呑むほどの、水の綺麗さ。

顔の目の前まで来るガンの群れ。

町では感じることのない、時が止まったような無音。

など、自然の中でしか味わえないものばかり。

一度でも味わったことのある人なら、「あー、わかる」とその状況がすぐに頭に浮かび、追体験できるでしょう。

味わったことのない人は、「キャンプに行ってみたい」と思わせてくれる魅力があります。

そんなキャンプを通して、この絵本では人間も自然の一部だということに、気付かせてくれます。

一週間の体験。

その中での家族の言葉。

色々なことが、「みんなこの同じ星の上で生きている」ということに、気付かせてくれるのです。

特に最後の場面でのミナの言葉が素敵で、子どもが地球を感じる瞬間が描かれています。

大自然の一部になるキャンプ。

その感覚をありのまま、自然のままに感じさせてくれる絵本です。

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