共作:スティーブ・ジェンキンズ&ロビン・ペイジ 訳:佐藤見果夢 出版:評論社
ゾウの長い鼻、トカゲの長い尻尾。
生き物は、特徴的な体の部位を持っています。
それってどんな風に使うんだろう?
あらすじ
生き物の身体の一部が出てきます。
まずは鼻。
長い鼻に、平べったい鼻、モジャモジャした毛の中にあるものも。
この鼻は誰の鼻?
この鼻で何をするのかな?
長い鼻は、ゾウの鼻。
自分の鼻で、シャワーを浴びる。
平べったい鼻は、カモノハシの鼻。
この鼻で、川底の泥を探る。
モジャモジャの鼻は、ホシバナモグラ。
鼻で触って、確かめながらトンネルを進む。
次は耳。
長い耳に、逆さまの耳、足のような耳もある。
これは誰の耳?
こんな耳で何してるの?
長い耳は、ジャックウサギの耳。
体温を下げるために、耳から熱を逃がす。
逆さまの耳は、コウモリの耳。
目ではなく、耳で周りを「見る」。
足のようなものは、コオロギの耳。
コオロギの耳は、足についている。
お次は尻尾。
さらには目、足、口と続いていく。
誰の身体で、どんな使い方をするかわかるかな?
『こんなしっぽでなにするの?』の素敵なところ
- 生き物の不思議を感じられるクイズ
- よく知っている生き物から、マニアックな生き物まで。
- 色々な材質を使って描かれた、温かみがあるのに写実的な絵
この絵本の楽しいところは、「何の生き物でしょう?クイズ」を楽しみながら、生き物の身体の不思議が感じられるところでしょう。
ゾウやウサギなど、すぐにわかるものから、ツノトカゲやペリカンなど、難易度の高いものまで様々で、クイズとしても結構頭を悩ませ面白い。
さらに答えとともに、その生き物の驚くような生態を知ることが出来、さらに面白いのです。
耳が足についていたり、目から血を吹き出したり・・・。
人間では考えられないものばかり。
その姿に、
「目から血が出て痛くないのかな?」
「トンネルは真っ暗だからね」
「フクロウの目と一緒だ」
など、子どもたちも、驚きと発見に満ちた表情をしていました。
また、身体の一部にフォーカスしているので、よりその生き物の特徴がわかりやすいのも素敵なところです。
そんな生き物たちですが、本当に多種多様です。
動物から、鳥、虫まで、何でも出てきます。
さらに、かなりマニアックなものまで出てくるから面白い。
生き物に詳しい子も驚くほどです。
ツノトカゲは「恐竜?」と言われたり、ショウガラゴは「フクロウ?」と言われたり・・・。
一筋縄ではいきません。
また、よく知っている生き物でも、なぜそんな形をしているのか知らないことも多く、
「なるほど!だからあんな形なんだ!」
と、驚きと納得の声が聞こえました。
さて、色々なことを教えてくれる動物たちですが、写真でもイラストでもありません。
色々な材質の紙を、切り貼りしたような絵で描かれています。
これが、とても写実的で、まるで今にも動き出しそう。
肌の質感や、毛並み感まで表現されています。
そして、写真ではないからこその、温かみがあるのも素敵なところ。
すごさを感じるだけでなく、自然と愛着が湧いてくるのです。
ツノトカゲなど、目から血を吹き出しているのに、なんだか可愛いから不思議です。
実写だったら、「うわっ!?」となっているところでしょう。
馴染みのあるものから、マニアックなものまで、多種多様な生き物が出てくるクイズを楽しめる。
人間とは違う生き物の、不思議と進化を楽しく感じられる絵本です。
コメント