かいちゅうでんとう(3歳~)

絵本

作:みやこしあきこ 出版:福音館書店

真っ暗な夜の部屋。

いつもなら怖いけれど、懐中電灯を持っていれば大丈夫。

さあ、家の中の暗闇探検へ出かけましょう。

あらすじ

夜、みんな寝静まったころ。

男の子が布団の中で、懐中電灯のスイッチを入れました。

お兄ちゃんも誘って、家の中を探検しようというのです。

部屋や机を、懐中電灯で照らすと、いつもの部屋じゃないみたい。

壁を照らすと、丸い光が出来ます。

壁に近づいていくと、丸がどんどん小さくなる。

壁に懐中電灯をくっつけると、光を閉じ込めることに成功。

そして、そのまま傾けると、光がびよーんと伸びていく。

今度は動物の人形。

懐中電灯を左右に揺らして照らしてみると、影が踊っているみたい。

次はどんな不思議が待っているのでしょう。

探検はまだまだ続きます・・・。

『かいちゅうでんとう』の素敵なところ

  • 本当に探検しているような光と影
  • 楽しすぎる懐中電灯遊び
  • すぐに試してみたくなる

この絵本の面白いところは、本当に真っ暗な部屋を歩いているようなリアルさです。

光と闇の描き方が驚くほどリアルなのです。

暗闇は、ちょうど真っ暗な中で、目が少し慣れてきたくらいの暗さ。

うっすらと、部屋の中のものが見える感じです。

これがまさに、真っ暗な部屋にいる感覚を思い出させてくれるのです。

そこを照らす、懐中電灯の光と、照らし出される影がまたリアル。

本当に自分が懐中電灯を持っているみたいで、気付けば男の子と一体化しています。

このリアルさが、探検への没入感を生み出し、よりドキドキワクワクさせてくれるのです。

しかし、ただ照らして、歩くだけでは終わらないのが、この絵本のとても楽しいところです。

探検の中で、光の特性を活かした、色々な遊びが展開されていきます。

光の収束。

影絵のような遊び。

壁に映る自分の巨大な影。

など、日々の中で体験したことがあるものから、やったことがないものまで様々。

そのどれもが簡単で、面白くて、不思議です。

そして、暗闇と懐中電灯があればすぐに試せてしまいます。

そうなったら、試さずにはいられないでしょう。

このすぐに絵本の内容を、試すことが出来るのも素敵なところです。

まずは、絵本にあったことを試すでしょう。

さらにやっているうちに、新しいことにも気付くでしょう。

そうなってくると、色々試したくなってくるもの。

見て、触って、試して・・・。

自然と光や影について、興味を持ち、理解を深めていけるのです。

そんな、面白さや不思議を、すぐに試すことへ繋げてくれるのも、この絵本のとても素敵なところなのです。

兄弟と、懐中電灯を使った、ドキドキワクワクの暗闇探検を一緒に出来る。

読み終わった後に、今度は自分が懐中電灯のスイッチを入れたくなる科学絵本です。

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