作:中島睦子 出版:福音館書店
写真かと思うほどのリアルな食べ物。
食べごろになり、収穫したら、美味しい料理に早変わり。
自然の恵みを、「さあ、たべよう!」。
あらすじ
実ったトマトが赤くなった。
サラダやピザにして・・・。
「さあ、食べよう」
土の中のジャガイモを掘り出した。
ポテトチップスや、フライドポテト、ポテトサラダにして・・・。
「さあ、たべよう」
木にたくさんなったブドウやマスカット。
そのままお皿に盛ったり、ジュースにしたり、レーズンにしてブドウパンも・・・。
「さあ、食べよう」
とうもろこし、稲、枝豆、いちご・・・。
まだまだ、たくさんの食べ物たちも、
「さあ、食べよう」
『さあ、たべよう』の素敵なところ
- 写真のようにリアルで美味しそうな食べ物たち
- 収穫前~料理になるまで、食べ物の色々な姿が描かれる
- ちょっとマニアックな知識も忍ばせてある
写真のようにリアルで美味しそうな食べ物たち
この絵本の素敵なところは、なんと言っても、美味しそうな食べ物の絵でしょう。
写真家と見まごうほどの、リアルな絵。
瑞々しさや、質感まで見事に表現しています。
見るだけで、その味を思い出し、涎が出てきそうなほど。
これが、収穫したままの姿だけでなく、調理した後の姿も見せてくれるのだから贅沢過ぎます。
チーズのとろけたピザ、ホクホクのポテトサラダ、そびえ立つバナナパフェ・・・。
もう、テンションが上がらないはずがないのです。
子どもたちも、
「ポテトが食べたくなっちゃう~」
「こんなバナナパフェ食べたい!」
「あ~、ケーキいいな~」
と、料理が出てくるたびに、歓声を上げていました。
収穫前~料理になるまで、食べ物の色々な姿が描かれる
さて、そんなリアルな食べ物たち。
描かれているのは、収穫されたお店に並ぶ時の姿や、調理をされたあとの姿だけではありません。
収穫する前の土に埋まっていたり、木に実っている姿まで描いているのも素敵なところなのです。
食べ物そのものは知っていても、どうやって実っているか知らない子も結構います。
この絵本を見て、
「お米ってこうやって出来るんだ」
「ブドウって木から出来るんだね」
「イチゴって草みたい」
など、新たな発見に驚く声も多く聞かれました。
日頃からよく見る食べ物を、色んな状態で見ることで、食卓に並ぶまでの過程が一目でわかるようになっているのです。
ちょっとマニアックな知識も忍ばせてある
そんな、色んな姿を見せてくれる食べ物たちですが、中には大人でも意外と知らないような、マニアックな知識も忍ばされています。
枝豆が茶色くなった後に収穫すると大豆になる。
落花生、ピーナッツ、南京豆はすべて同じもの。
など、大人も「へ~、そうだったんだ!」と、思えるものが入っているのです。
小さい子から大きい子まで、それぞれに発見があるのも、この絵本の面白いところだと思います。
二言まとめ
見ているだけで、涎が出てくるほど、リアルで美味しそうな食べ物たち。
でも、「美味しそう」だけでなく、その食べ物の自然な姿や知識も一緒に知ることが出来る、やっぱり美味しい絵本です。
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