作:オームラトモコ 出版:ポプラ社
突如現れた虫たちの行列。
最後尾は50番。
順番に虫たちを辿っていったその先には・・・。
あらすじ
なんだか騒がしいので行ってみると、
「虫さんへ、いいものあげるから登っておいで」
と、看板がありました。
ハチが案内係になり、虫たちを並ばせています。
最後尾は来たばかりの蚊。
50番目です。
登っていくと、アリ、テントウムシ、ダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシ、ホタル、ハエ、キノコムシ、カメムシ、ハンミョウ・・・。
と続いていきます。
虫たちはおしゃべりしながら並んでいます。
さらに登っていくと、ネコが遊びに来ていました。
捕まえようとしてくるネコに、並んでいる虫たちは戦々恐々・・・。
さらに行くと、28番目のクモが、暇すぎて巣を張ってしまい大変なことに。
後ろに並んでいる虫が、くっついてしまっています。
でも、まだまだ列は半ば。
この先、なにが待ち受けているのでしょう。
また、一番上で待っている「いいもの」とはなんなのでしょうか?
『むしさん なんのぎょうれつ?』の素敵なところ
- ひたすら出てくるたくさんの虫たち
- 事件あり、感動ありの長い行列
- 行列の先にある驚きの仕掛け
ひたすら出てくるたくさんの虫たち
この絵本、ページをめくってもめくっても、ひたすら虫が出てきます。
カブトムシなど人気の虫から、ゴキブリなど人気のない虫、サソリなどの危険な虫に、コノハムシなどマニアックなものまで。
ジャンルを問わず、みな平等に行列を作っていくのです。
これには子どもたちも、
「あ、この前いたカメムシだ!」
「チョウチョ好き!」
「うわ!ゴキブリもいる!」
「こんな虫いるんだ!?」
と、多種多様な反応が。
ひたすら出てくる虫たちを、順番に見ているだけでも楽しいのです。
事件あり、感動ありの長い行列
でも、そんな虫たちはただ並んでいるだけではありません。
それぞれにおしゃべりしたり、事件を起こしたり、力を合わせたりと、場所ごとに虫ドラマが展開されているのがまた面白いところ。
ホタルが光って、後ろに並んでいる虫が眩しがる。
張られた蜘蛛の巣を、サソリとハサミムシが協力して切ってあげる。
待っていて暇な虫たちに、コオロギが演奏してあげる。
飛んできた鳥に、タガメが立ち向かう。
など、長い行列ですが、見ていて全く飽きさせません。
50番目から1番先頭まで、一気に追いかけてしまう魅力があるのです。
行列の先にある驚きの仕掛け
そんな行列の一番先に待っている「いいもの」。
そこには「いいもの」が置いてあるだけでなく、大きな仕掛けも施されていました。
子どもたちも、
「なんだろなんだろ?」からの「おおー!すごい!!」と、感動の声。
これは仕掛けがあったからこその感動だと思います。
そして、この「いいもの」には虫たち全員が大満足。
さらには、この行列を作った種明かしまでされ、色々スッキリして終わります。
二言まとめ
順番に出てくる虫たちをみているだけでも面白いけど、そこで巻き起こる虫ドラマがもっと面白い。
さらには最後の仕掛けでさらに面白くなってしまう、最初から最後まで面白さが止まらない仕掛け行列絵本です。
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