たわし(4歳~)

作:井上洋介 出版:小学館

遠路はるばる、たわしを買いに来た男の子。

理由は「寒くなってきたから」でした。

これは、たわしを買って、家に帰るまでのお話です。

あらすじ

寒くなってきたので、男の子がたわしを買いに雑貨屋へやってきました。

たわしを一つ買うと、男の子は背中にたわしを背負って、帰路につきます。

歩いていると雨が降ってきました。

そして、雨の中を大カタツムリが滑ってきました。

大カタツムリの背中に乗せてもらい、一緒に滑っていきました。

でも、雨がやむと、大カタツムリも止まってしまい、また歩き出しました。

歩いていくと、バス停がありました。

待っていたら、大ガエルが跳んできて、背中に乗せてくれました。

お客さんは男の子とキツネの2人。

次のバス停では、モグラモチがたくさん乗ってきて、お客さんが増えました。

すると、重くて動けなくなった大ガエルは、バスごっこをやめて、お客さんを降ろしてしまいました。

男の子は歩いて家路を急ぎます。

男の子は無事に家へたどり着けるのでしょうか?

たわしの使い道とは・・・。

『たわし』の素敵なところ

  • 気になるたわしの使い道とサイズ感
  • 色々な生き物との出会いが楽しい家路
  • まさか過ぎるたわしの使い道

気になるたわしの使い道とサイズ感

この絵本は、たわしを中心に物語が進んでいきます。

「寒くなってきたので、ぼくたわしを買わなくちゃ」

と、謎の理由付けから始まります。

”寒さ”と、”たわし”が結びつかない不思議な理由。

子どもたちも、

「なんで寒いとたわしなんだろう?」

「たわしで、お風呂を洗って入るためじゃない!?」

など、色々な想像を巡らせます。

さらに、たわしを買った後も、謎が増えます。

それはサイズ感。

男の子ががっちり背中に背負っているのです。

子どもの背丈ほどのたわし・・・。

これには、

「え!?たわしでかくない!?」

「何に使うの!?」

と、さらなる混乱が巻き起こります。

しかし、そんな疑問に少しも答えず、男の子はさっさと帰路を急ぎます。

この色々気になり過ぎる始まりが、見ている人を一気にこの不思議な世界へ引き込んでいくのです。

色々な生き物との出会いが楽しい家路

そんな謎を抱えた家路は、謎とは真逆の楽しい魅力に満ちています。

雨が降れば、大カタツムリが現れて、一緒に水たまりを滑っていく。

バス停では大ガエルの背中に乗って、ピョンピョン楽しそうに跳ねていきます。

「えー!いいなー!私も乗ってみたい!」

「スピード感あって、楽しそー!!」

と、たわしのことなど忘れて、その楽しそうなアトラクションの数々に目を輝かせます。

この生き物たちとの出会いと、サクッとした別れもこの絵本の大きな魅力です。

まさか過ぎるたわしの使い道

さて、そんな家路もいよいよ終わり、ついに家に辿り着きます。

そして、ついにたわしが使われる時が来るのです。

これがまあ、なんとも予想外。

子どもたちも驚きを隠せません。

妙な納得感と、新たな疑問が噴出する使い道。

「チクチクしないのかな?」

「この男の子って・・・?」

「まさか過ぎる・・・!」

色々出てきますが、なにも語られず物語は終わるのです・・・。

二言まとめ

なんでたわしを買ったのか?どうやって使うのか?色んな謎が気になり過ぎる。

とても楽しい道中と、まさか過ぎる使い道の両方に驚かされ続ける絵本です。

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