作:ビル・コッター 出版:サンクチュアリ出版
ダメと言われれば、やりたくなってしまうもの。
この絵本には触ってはいけません。
でも、ちょっとだけなら・・・。
あらすじ
注意:この絵本に触ると、おかしなことが起こります。
紫色のモンスター、ラリーが目の前に現れた。
手には一冊の絵本を持っている。
その絵本は魔法の絵本らしく、ラリーしか触れないと言う。
どうしても、触りたいのなら、ラリーの言うとおりにしないといけないらしい。
はじめは、青い点線を指でなぞる。
すると、なぞったところが青くなった!
今度はその青を手のひらでこする。
ゴシゴシ・・・。
なんと、色が広がり虹が出来た!
次は絵本を揺らしてみる。
ゆ~らゆら・・・。
すると、虹がぐにゃぐにゃに!
次は・・・。
『ぜったいにさわっちゃダメ?』の素敵なところ
- ダメなものをさわれる背徳感と楽しさ
- 触って遊べるワクワク絵本
- 友だちと一緒に遊んでいるような楽しさ
ダメなものをさわれる背徳感と楽しさ
ダメと言われたら、やりたくなるのが人情と言うものです。
子どもはとくに、ダメと言われることが多いもの。
それをこっそり触れてしまうのは、それだけで楽しいこと間違いなし!
それが出来るのがこの絵本なのです。
本当は触っちゃダメなこの絵本。
でも、ラリーの言うことを聞く条件付きで、触ることが許されます。
その時の、子どもの顔は真剣そのもの。
触ってはいけないものに触る緊張感が滲み出ています。
触って遊べるワクワク絵本
これだけでも十分に楽しいのですが、触ったことで起こる変化がさらに面白いのも、この絵本の素敵なところです。
指でなぞると、そこに色の線が出来、それをこすると虹になる。
揺らすとページの中も揺れ、回すとページの中も回ってしまう。
触ったことがページに反映されていくのは、まさに魔法の本。
ひとたび、その魔法の面白さを感じれば、触っちゃいけない本だったことなど忘れて、夢中で楽しんでしまいます。
友だちと一緒に遊んでいるような楽しさ
さて、この魔法だけでも十分楽しいのですが、さらにこの絵本を楽しくしてくれるのが、ラリーとの会話です。
この絵本は、ずっとラリーとの会話でストーリーが進んでいきます。
指で上手くなぞれたら、
「わあ!あおくなった!よし、今度は手のひらでこすってみて」
指でこすると、
「すごい!虹が出来ちゃった!」
と、驚いたり、褒めてくれたり、本当にラリーと話しているようなのです。
それはまさに、友だちと話しながら、楽しいおもちゃで遊んでいるような楽しさです。
この「絵本を読んでいる」というより、「ラリーと遊んでいる」という感覚にさせてくれるのが、とても楽しく素敵なところです。
二言まとめ
ダメと言われたことを特別に出来る、背徳感と楽しさを思い切り味わえる。
まるで、ラリーと子ども部屋で遊んでいるような、楽しい時間を過ごせる絵本です。
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