作:軽部武宏 出版:小峰書店
雨上がりの水たまり。
それは果たしてただの水たまりでしょうか。
もしかしたら、水たまりに化けた何かかもしれません。
あらすじ
ちゃぷちゃぷちゃぷん。
バケツがやってきて・・・
だっばーん
転んでしまって水たまりの出来上がり。
ヤマネコがひっかくと・・・
「きゃっ」と声がした。
フクロウがホーホーと鳴くと・・・
水たまりもホーホー。
石ころが飛び込むと・・・
「飛び込み禁止だよ」
次々に色んなものがやってきて、色んなことをやっていく。
そのたびに、水たまりは色んな反応を返していく。
この水たまりは一体何なのでしょう。
『ばけバケツ』の素敵なところ
- 何が起きるかわからない展開
- 少し不気味だけれど、おもしろい絵
- なるほど!な結末
このお話、最初は動物がやってくるだけだったのが、段々水たまりも積極的に動き出します。
ページをめくるたび、何が起きるかわかりません。
そして水たまりの反応も予想がつきません。
子どもたちは「えー!?」「どうなってるの!?」「すごーい!」と予想外の展開にハラハラドキドキ。
それをさらに盛り上げるのは、不気味な中にも楽しさや綺麗さが見え隠れする絵です。
暗い夜のはらっぱで、
動物は妙にリアル。
情景は幻想的。
水たまりの動きは躍動感たっぷり。
前のページにこっそり次のページで出てくるものが描かれていたりと遊び心もたくさん。
こんな奇想天外な物語ですが、結末を見ると「あ!なるほど!」と納得。
物凄く綺麗にまとまっています。
読んでいても見ていても不気味楽しい一冊です。
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