ねえ、どれがいい?(4歳~)

絵本

作:ジョン・バーニンガム 訳:まつかわまゆみ 出版:評論社

思いもよらない、様々な選択肢。

楽しいものから、どれも選びたくないものまで・・・。

ねえ、どれがいい?

あらすじ

もしもだよ・・・。

君の家の周りが変わるとしたら、

洪水と、大雪と、ジャングル。

ねえ、どれがいい?

もし、

ジャムまみれと、水浸しと、イヌに引かれて泥だらけなら?

もし、

お城で食事、気球で朝ごはん、川でおやつなら、

どれがいい?

蜘蛛のシチュー、カタツムリの団子、虫のおかゆ、ヘビのジュース、

食べなきゃいけないとしたらどれがいい?

まだまだ尽きない、色々なもしも・・・。

ねえ、どれがいい?

『ねえ、どれがいい?』の素敵なところ

  • 自由過ぎる色々な「もしも」の面白さ
  • 選びたい「もしも」、選びたくない「もしも」
  • それを選ぶ理由付け

自由過ぎる色々な「もしも」の面白さ

この絵本の素敵なところは、考えもしなかったたくさんの「もしも」でしょう。

出てくる「もしも」は、どれも自由で思いもよらないものばかり。

子どもたちも、予想外過ぎて、「えー!?」と、驚きっぱなしです。

ジャンルも様々で、アクシデントから、遊び、動物など、色々な「もしも」が飛び出します。

次の「もしも」が出てくるたびに新鮮で、ワクワクと驚きと楽しさの連続が全く途切れないのです。

選びたい「もしも」、選びたくない「もしも」

また、「もしも」が選びたいものばかりではないのも、この絵本の面白いところです。

選びたい素敵な「もしも」と同じくらい、いや、それ以上に選びたくない「もしも」も出てきます。

ヘビに巻かれる、魚にのまれる、ワニに食べられる、サイの下敷きになる「もしも」。

迷子になるなら、霧の中、海の上、砂漠、森の中、人混み?

など、どれも選びたくないものばかり。

選びたくない選択肢は新鮮で、選びたいものよりも頭を悩ませるみたいで、

「う~ん、この中ならこれかな・・・」と嫌だけど選ぶ子

「全部いやー!」とどれも選ばない子

など、それぞれの選択肢があるのも面白いところ。

きっと、「絶対選ばないといけない」という空気感でなく、遊びの中で軽く聞くような空気感の絵本だからこそでしょう。

それを選ぶ理由付け

そして、選んだものに自然と理由付けするのも、この絵本の面白いところです。

楽しいことを選ぶと、

「これが一番楽しそうだから!」

「私はダンスが好きだからこれ!」

「魔法が使えるようになりたいもん!」

など、選んだ理由を聞かれなくても答えます。

嫌なことを選ぶ時も、

「これなら生きてるかもしれない」

「もしかしたら逃げられるかもしれない」

「怒ってる方が嫌だもん」

と、消去法や、他のものを選ばなかった理由を付け加えたりしています。

どちらにしても、本気で考えて答えを出しているのが伝わってくるのです。

理由を考え、友だちとあれこれ言いながら選ぶのも楽しいですし、選んだものの理由を聞いて、その子の考え方を知るのも面白い。

どの楽しみ方でも、考え、空想する楽しさが味わえるのが、とても素敵なところです。

二言まとめ

選びたい選択肢、選びたくない選択肢、両方ともたくさん出てくる。

どの選択肢も、楽しく、面白く、夢中で考えて選んでしまう、イメージが広がっていく絵本です。

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