作:ジョン・バーニンガム 訳:まつかわまゆみ 出版:評論社
思いもよらない、様々な選択肢。
楽しいものから、どれも選びたくないものまで・・・。
ねえ、どれがいい?
あらすじ
もしもだよ・・・。
君の家の周りが変わるとしたら、
洪水と、大雪と、ジャングル。
ねえ、どれがいい?
もし、
ジャムまみれと、水浸しと、イヌに引かれて泥だらけなら?
もし、
お城で食事、気球で朝ごはん、川でおやつなら、
どれがいい?
蜘蛛のシチュー、カタツムリの団子、虫のおかゆ、ヘビのジュース、
食べなきゃいけないとしたらどれがいい?
まだまだ尽きない、色々なもしも・・・。
ねえ、どれがいい?
『ねえ、どれがいい?』の素敵なところ
- 自由過ぎる色々な「もしも」の面白さ
- 選びたい「もしも」、選びたくない「もしも」
- それを選ぶ理由付け
自由過ぎる色々な「もしも」の面白さ
この絵本の素敵なところは、考えもしなかったたくさんの「もしも」でしょう。
出てくる「もしも」は、どれも自由で思いもよらないものばかり。
子どもたちも、予想外過ぎて、「えー!?」と、驚きっぱなしです。
ジャンルも様々で、アクシデントから、遊び、動物など、色々な「もしも」が飛び出します。
次の「もしも」が出てくるたびに新鮮で、ワクワクと驚きと楽しさの連続が全く途切れないのです。
選びたい「もしも」、選びたくない「もしも」
また、「もしも」が選びたいものばかりではないのも、この絵本の面白いところです。
選びたい素敵な「もしも」と同じくらい、いや、それ以上に選びたくない「もしも」も出てきます。
ヘビに巻かれる、魚にのまれる、ワニに食べられる、サイの下敷きになる「もしも」。
迷子になるなら、霧の中、海の上、砂漠、森の中、人混み?
など、どれも選びたくないものばかり。
選びたくない選択肢は新鮮で、選びたいものよりも頭を悩ませるみたいで、
「う~ん、この中ならこれかな・・・」と嫌だけど選ぶ子
「全部いやー!」とどれも選ばない子
など、それぞれの選択肢があるのも面白いところ。
きっと、「絶対選ばないといけない」という空気感でなく、遊びの中で軽く聞くような空気感の絵本だからこそでしょう。
それを選ぶ理由付け
そして、選んだものに自然と理由付けするのも、この絵本の面白いところです。
楽しいことを選ぶと、
「これが一番楽しそうだから!」
「私はダンスが好きだからこれ!」
「魔法が使えるようになりたいもん!」
など、選んだ理由を聞かれなくても答えます。
嫌なことを選ぶ時も、
「これなら生きてるかもしれない」
「もしかしたら逃げられるかもしれない」
「怒ってる方が嫌だもん」
と、消去法や、他のものを選ばなかった理由を付け加えたりしています。
どちらにしても、本気で考えて答えを出しているのが伝わってくるのです。
理由を考え、友だちとあれこれ言いながら選ぶのも楽しいですし、選んだものの理由を聞いて、その子の考え方を知るのも面白い。
どの楽しみ方でも、考え、空想する楽しさが味わえるのが、とても素敵なところです。
二言まとめ
選びたい選択肢、選びたくない選択肢、両方ともたくさん出てくる。
どの選択肢も、楽しく、面白く、夢中で考えて選んでしまう、イメージが広がっていく絵本です。
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