見逃されがちな、保育園を選ぶポイント~保育士の目線から~

雑記

お元気様です!

登る保育士ホイクライマーです。

今回は、現役保育士の目線から、保育士になりたい人に向け、保育園を選ぶ時のポイントをお伝えしていきたいと思います。

メインは保育士を目指す人ですが、中には保護者の役に立つ情報もあるはずです。

最近、保育士の大量退職など、色々とネガティブなニュースの多い保育業界。

それらを見ていると、保育所によって、本当にピンからキリまで質の幅の大きさに驚かされます。

質の低い保育所で働く人の、悲痛な訴えには心が痛くなりますね。

ですが、もちろんそんな保育園ばかりではありません。

この記事を読んで、ブラック過ぎる保育園に入るリスクを回避したり、自分に合った保育園に出会える確立を上げてもらえたらと思います。

同時に、保育士が働きやすい保育園は、子どもものびのびと過ごせる保育園でもあります。

それは保護者にとっていい保育園でもあるでしょう。

就活や保活のゴールは入ることではありません

入った後が大事なのです。

子どもの保育園を選ぶ時、ぜひ参考にしてみてください。

保育園は淘汰されていく時代へ

まず、大前提として、保育園は減っていく時代にあります。

人気のない園は潰れ、人気のある園が生き残っていくのです。

つまり、保育の質が求められる時代へと、移り変わっていく過渡期にあるのです。

「2025年に利用児童数はピークに達する」

と、厚生労働省が発表しているように、すでに十分な保育園の量はあるのです。

日本は少子化で、子どもが爆発的に増えることは考えにくいでしょう。

そんな状況下で、これから保育業界に入ろうとする人は、ブラックな保育園で働いている場合ではないのです。

しっかりとした保育園で、保育力を上げていかないと、選ばれない保育士となってしまいます。

今から保育士になる人には、非常に重要な時期であると言えるでしょう。

同時に、保育士が専門職として、価値を認められるかもしれない時期でもあります。

保育園側も、質のいい保育士を確保しないといけない時代になります。

すると、雇用環境が上がっていく可能性も考えられます。

そういう意味では、専門性と、やりがいと、雇用環境のバランスが取れていくかもしれません。

保育園選びで最重要なのは職員配置数

それでは、いよいよ保育園選びのポイントをお伝えしていきます。

ぼくが最も重要だと思うもの。

それは、子どもの人数に対しての職員配置数です。

特に午前中の、メインとなる活動の時間が重要です。

目安は、定められた最低基準+1人を保育につけているかです。

国の定める最低基準は、

  • 0歳児:子ども3人に対し保育士1人
  • 1~2歳児:子ども6人に対し保育士1人
  • 3歳児:子ども20人に対し保育士1人
  • 4歳児以上:子ども30人に対し保育士1人

となっています。

無理です!

例えば、0歳児、お昼ごはんの時間。

手づかみ食べをしている子たちの食事介助をし、食べ終わったら口を拭き、着替えさせ遊びスペースへ。

それを6人に対してやりつつ、掃除をしながら、昼寝へと誘導していかないといけません。

保育士2人で。

例えば、3歳児が、おもちゃの片付けをした後、散歩の準備をする場面。

素早く片付けた子が、次の指示を待っている中、片付けをしない子がイヤイヤを発動。

イヤイヤに対応している間に、トイレに行きたいなど、細々したことが起こります。

毎日1人で対応していたら、ストレスがマッハです。

こんな環境で、一人一人に合わせた保育が出来るでしょうか?

保育力でなんとかなることはあります。

でも、保育力ではなんともならない、物理的なこともあります

ぼくは、この職員配配置数が、保育園側からの、

「人数が少ないとまともに保育出来ないよね。わかっているよ。」

という、メッセージだと思っています。

ここを根性論や、臨機応変という言葉でごまかす保育園はやめた方がいいでしょう。

参考までに、ぼくが今働いている保育園の基本配置数を載せておきます。

  • 0歳児:子ども6人、保育士2人+パート1人
  • 1~2歳児:子ども10人、保育士2人+パート1人
  • 3歳児:子ども12人、保育士1人+パート1人
  • 4歳児以上:子ども12人、保育士1人。散歩に行く時は4・5歳合同。

これで、基本は過不足なく、状況によってもう少し欲しいと思うくらいです。

もちろん、多いにこしたことはありませんが、そこまで潤沢な保育園は、数も少ないです。

求めすぎると、選択肢が少なくなるということも覚えておいてください。

行事や固定カリキュラムの密度と規模

もう一つ、見て欲しい部分があります。

それが、「保育士側で調整できない予定」の密度と、その予定の規模です。

固定カリキュラムとは、体操教室や英語教室、老人ホーム訪問などの月間で固定されている活動です。

行事は、運動会や発表会などのどこでもあるものの他、お店屋さんごっこ、遠足、夏祭りなど、その園独自のものもあります。

どれも子どもたちに、非日常を体験させる、とてもよい経験と刺激になるものばかりです。

ただ、重要なのはバランスです。

例えば、ぼくが前に行っていた保育園は、

  • 毎週月曜・・・体操教室
  • 隔週水曜日・・・制作教室
  • 隔週金曜日・・・英語教室
  • 月一回・・・老人ホーム訪問、縦割り活動

これが、毎月固定であります。

そこに行事が乗っかってきます。

さて、これを元に月間カレンダーを作り、そこに行事の準備制作や、練習を組み込んでみてください。

どれくらい、子どもが自由に遊べる時間が確保できるでしょうか?

これらはあくまで、非日常的な経験です。

前提として、自由に考え、自分のしたい遊びを、自分で選んで遊ぶ時間がしっかりある

それがあって、はじめて輝くものなのです。

規模も重要です。

例えば、お店屋さんごっこを考えてみましょう。

「いつも使っているままごとの道具を使い、ままごとの発展形としてお金のやり取りを入れてみる」

これくらいなら、子どもにも保育士にも負担はありません。

ですが、「商品や衣装を作り、園全体でお店屋さんごっこをする」となると、話は変わってきます。

子どもも保育士も、準備や会議など大量の時間が必要でしょう。

このように、規模が大きくなると負担は増えます。

規模大きい行事が連続すれば、常になにかに追われることになるのです。

子どもにとってもストレスですが、保育士にとってもストレスです。

まず、準備に追われます。

一つの行事の最中に、次の行事を考えなくてはいけません。

保育を見直している暇もないのです。

次に、自分のしたい流れで活動が組めません。

数日間かけて、一つの流れで保育をしたくても、カリキュラムがストッパーになってしまうのです。

予定がつまると、「子どもが主体」の保育は出来ない

そして、一番の問題は、保育士主導になってしまうこと。

子ども主導で保育を組み立てようとすると、時間の余裕が必要です。

でも、それがないので、ある程度子どもが興味あるものを取り入れつつも、保育士が決めたものを子どもがやる形になってしまいます。

これは、今保育に求められている、「子どもの主体性を育てる」ことを大きく粗害しているでしょう。

カリキュラムや行事がたくさんあるのは、いいことのように思われがちです。

ですが、「自由な時間」と引き換えであるということも忘れてはいけません

詰め込んでも、子どもはパンクするだけです。

では、行事の密度に目安をあるのでしょうか?

規模によって変わりますが、運動会や発表会のような、規模の大きな行事の準備には最低でも2か月はかかります。

出来れば3か月は欲しいと思うくらいです。

もちろん、その間に中規模や大規模な行事が入ってこないのが前提です。

その条件があってはじめて、子どもとどんなことをするか相談し、子どもが主体的に参加できる行事が生まれると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、保育園を選ぶ際、就活者も保活者も、意外と気にしていないけど重要なポイントについて紹介していきました。

もちろん、見るべき点は他にもたくさんあります。

しかし、その土台になっているのは、今回紹介した項目たちです。

保育は変えられても、物理的な人数や、自由に使える時間は変えられません

同時に、この項目は保育園運営者の、理念や信念の土台とも言えます。

なぜ、その配置数でやっているのか?

行事の配置にはどんな理由があるのか?

ぜひ、聞いてみるとその園のことがよくわかると思います。

もう、入れればいいという時代ではありません

全ての保育園が、入るに値する園ばかりでもありません。

自分の幸せのために。

子どもたちの幸せのために。

しっかりと見極めてから入りましょう。

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