どうぶつたちがねむるとき(5歳~)

絵本

作:イジー・ドヴォジャーク 絵:マリエ・シュトゥンプフォヴァー 訳:木村有子 出版:偕成社

動物たちが、どんな風に眠っているか知っていますか?

キリンは?ラッコは?アマツバメは?

みんな自分に合った眠り方をしています。

そんな動物たちのかわいい寝顔を、順番に見ていきましょう。

あらすじ

ペリカン

ペリカンはいつも仲間と一緒にいます。

夜になると、白い羽布団に、顔をうずめ眠ります。

敵が来ても、起きている仲間がいるから安心です。

ブダイ

ブダイは寝る場所を毎日作る魚です。

透明な液を出し、大きな丸いシャボン玉のような泡の袋を作ります。

そして、その中で眠るのです。

これなら、においが漏れず、敵から身を守れます。

目が覚めると、泡の袋を突き破り外に出てきます。

ラッコ

ラッコはずっと海で暮らします。

眠るのも海です。

お腹を出して、海にぷかりと浮かんで寝ます。

浮いていて流されないよう、長い昆布を体に巻き付け眠ります。

ラッコの子どもは、お母さんのおなかの上で眠ります。

キリン

キリンは2時間くらいしか眠りません。

短く細切れにしか眠れません。

暗闇の中、いつも耳をそばだてて、ライオンが近づいてこないか聞いているのです。

足は地面についていますが、頭は高い木に乗せて寝ています。

まだまだ出てくる動物たち。

どんな眠り方をしているのでしょうか?

そして、どんな夢を見ているのでしょうか?

『どうぶつたちがねむるとき』の素敵なところ

  • 動物たちの個性豊かな眠り方がわかる
  • 動物たちの見る夢を想像させてくれる柔らかな文章
  • 気持ちよさそうに眠る、動物たちのリアルだけど優しい絵

動物たちの個性豊かな眠り方がわかる

この絵本には、本当に色々な動物の眠り方が描かれています。

キリンや、ニシキヘビ、ヤマネ、アザラシなど、よく考えたらどうやって寝ているのか想像がつかない動物たち。

イヌや、ネコなどの身近な動物たち。

など、様々な動物が登場します。

眠り方を知らない動物はもちろん、身近な動物たちの眠りにも、知らなかった知識がたくさんあり驚かされるのが、この絵本の面白いところ。

ネコが一番長く眠る動物で、1日16時間眠るものもいる。

アマツバメは飛びながら眠るなど、

「えーそうだったんだ!?」

の連続で、子どもたちは驚きっぱなしでした。

動物たちの見る夢を想像させてくれる柔らかな文章

でも、素敵なのは眠り方の知識だけじゃありません。

眠っている姿や、その動物の暮らす環境、見ている夢などを想像させてくれる、柔らかな文章も素敵なのです。

ラッコであれば、

「親子のラッコは、星模様の毛布をかけて、しょっぱい海のベッドの上で、ゆら~りゆられて、いつの間にか眠ってしまいます。」

シロクマであれば、

「ほんの少しでも海の水が温かくなって、氷が溶けだしてしまったら、シロクマの眠るところはなくなってしまいます。」

キリンであれば、

「キリンの眠りは短いのですが、たくさん夢を見ます。草原で、思いっきり走る夢。暑い昼間、涼しい木陰に入る夢・・・。」

といったように、ただどうやって眠るかだけでなく、その動物が眠っている情景を想像させてくれるのです。

この文章で、頭の中のイメージがより広がり、動物たちの眠りをより印象強いものにしてくれます。

気持ちよさそうに眠る、動物たちのリアルだけど優しい絵

また、忘れてはいけないのが、動物たちが気持ちよさそうに眠る絵です。

寝ている動物の姿をとてもリアルに描いていて、目の前で本当に寝ているみたい。

今にも寝息が聞こえてきそうなほどです。

けれど、リアルな中に、温かみのような、柔らかさのようなものがあるのが素敵なところ。

写真ではなく、絵だからこそ表現できるものだと思います。

この温かさが、眠りという穏やかな時間。

家族と眠る、安らかなひと時を感じさせてくれ、こちらまで眠くなってしまうのです。

動物たちの寝顔や、眠る姿の安心感やかわいさも、この絵本の大きな魅力です。

二言まとめ

動物たちの個性的な眠りについて知るだけじゃなく、その温かさやかわいさに癒される。

読むと、驚きながらも気付けば眠くなっている、不思議な絵本です。

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