チックタックじかんってなあに?(5歳~)

絵本

作:ベス・ユーマン・グレイク 絵:ハーベイ・ワイス 訳:もりひさし 出版:偕成社

世の中には色々な時間の単位がある。

時、分、秒、日、週、月、年、午前、午後、過去、未来・・・。

そんな時間の不思議やおもしろさが、全て詰まった絵本です。

あらすじ

時計を見ると、何時何分かがわかります。

カレンダーを見ると、何月何日何曜日かがわかります。

時間は目に見えないけれど、ずっと前からやってきて、これから先へずっと続いていくものです。

時、分、秒。

年、週、日。

どれも長さの違う時間です。

1秒はポンと鞠をつく時間、「こんにちは」と言う間、この絵本をめくるくらいの時間です。

1秒が60集まると1分です。

1分は、街角から次の街角まで歩くくらいの時間です。

1分が60集まると1時間です。

1時間あれば、積み木で大きな街を組み立てることや、1枚の絵を描き上げることもできます。

1時間が24集まると1日です。

1日はみんなが眠っている真夜中に始まります。

朝、昼、午後、夕方、夜になり、みんなが寝た後の真夜中の12時に1日は終わります。

1週間は7日です。

1週間あれば、遠い所まで旅行が出来ます。

日、月、火、水、木、金、土。

時間割やテレビなど、一週間で繰り返されていることは色々あります。

1か月は4週間とちょっとです。

1か月は30日か、31日。

2月だけは28日でおしまいで、4年に一度29日のうるう年がやってきます。

1年は12か月です。

12か月は・・・。

『チックタックじかんってなあに?』の素敵なところ

  • 日常的に使うほぼすべての時間を網羅している
  • 驚くほどに具体的でわかりやすい
  • 無限に続く時間の不思議を感じられる

日常的に使うほぼすべての時間を網羅している

この絵本のすごいところは、時計の時間だけでなく、時間の単位をほぼ網羅していることです。

秒から年、過去・未来まで、細かい単位から、大きな単位まで日常的に使うものはすべて載っています。

なんとなく聞いたことがあったり、感覚的に使っているけれど、実は詳しく知らない子も多い「時間」。

そのそれぞれの意味や、繋がりをしっかりと知ることができるのです。

中でも繋がりは、一冊の中ですべての時間を描いているからこそ。

24時間で1日や、12か月で1年など、他の単位への変換や、単位が大きくなっていく様子がよくわかるようになっています。

これにより、年と秒が繋がっていることなど、これまで同じものと考えていなかった時間も、繋がるようになるのです。

驚くほどに具体的でわかりやすい

もう一つ、同じくらいすごいところが、そのわかりやすさです。

まず、具体例がわかりやすい。

1秒は「この絵本をぱらっとめくるくらいの時間」

午後は「お昼ごはんを食べると午後」

など、感覚的にわかりやすく描かれています。

1日を朝起きて~夜寝るまでの様子を描いたり、1年間を春夏秋冬の様子を細かく描いたりと、長い時間では小さな時間が積み重なっていく感覚を、感じられるようにもなっているのもすごい。

また、時間の単位が順序だてて大きくなっていくのも、わかりやすいところです。

1秒が60で1分。

1分が60で1時間。

1時間が24で1日。

1日が30~31で1か月・・・。

と、ひとつひとつの時間を説明してから、次の単位へとゆっくり大きくなっていくので、時間の繋がりや変換が無理なくわかっていくのです。

時間を網羅的に描いているからこそできたわかりやすさは、この絵本のとてもすごくて、素敵なところです。

無限に続く時間の不思議を感じられる

さらに、この絵本の最後には過去・未来という概念にも触れています。

自分が産まれてから、時間が積み重なって大きくなってきたこと。

これからさらに大きくなっていき、未来へと続いていくこと。

同時に、自分の産まれる前から時間は続いていること。

自分がいなくなった後も時間は続いていくこと。

そんな自分とは無関係に、続き続け、動き続ける時間というものの不思議さに、触れることができるのです。

そして、この「不思議」という感覚は、この絵本でひとつひとつの時間を丁寧に知り、その積み重ねを見てきたからこそ感じるのだと思います。

その積み重ねの厚みを感じられているからこそ、過去と未来に積み重なる膨大な厚みの不思議さを感じ取ることができるのでしょう。

無限に続く時間の雄大さとおもしろさを実感できることは、この絵本の本当に素敵なところだと思います。

二言まとめ

秒~年まで、すべての時間の単位や繋がりを、驚くほどわかりやすく網羅的に描き出す。

無限に続いていく時間の不思議さやおもしろさを、実感できる絵本です。

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