作:谷口智則 出版:アリス館
ワニのカップルが営むワッフル屋さん。
好きなものを挟んだワッフルを作ってくれます。
でも、作り方は企業秘密。
誰にも見せてはくれません・・・。
あらすじ
森の奥にかわいいお店がありました。
いい匂いにつられ、動物たちがそのお店に入ってみると・・・。
そこはワニのカップルが営むワッフルケーキ屋さん「ワニッフル」。
好きな食べ物を挟んで、ワッフルケーキを作ってくれるお店でした。
そこで、サルくんがバナナを挟んで欲しいと注文してみました。
すると、バナナを持って奥の扉に入っていくワニのカップル。
「作っているところは絶対に見せられないから、扉を開けないでね」と忠告し、扉を閉めました。
少しすると、扉の中から「ガシャン!」という音が。
そして、バナナのワッフルケーキを持って、ワニのカップルが扉から出てきたのでした。
サルくんが初めてのワッフルケーキを食べてみると、その美味しいこと。
それを見て、ゾウさん、ライオンさん、パンだくんも、それぞれオレンジとチョコレート、イチゴのワッフルケーキを注文しました。
ワニのカップルは、また扉の中に入り「ガシャン ガシャン ガシャン」とワッフルケーキを作っていきます。
動物たちは、どうやって作っているのか気になってしょうがありません。
でも、出来たワッフルケーキは、やっぱりとても美味しいのでした。
他の動物たちもワッフルケーキを一斉に注文します。
扉の中からは、たくさんのワッフルを作る音・・・。
扉の前で待つ動物たち・・・。
動物たちはどうしても作り方を知りたくなり、ついに扉を開けてしまいました。
中ではワニのカップルが・・・。
『ワニのワッフルケーキやさんワニッフル』の素敵なところ
- 絶対美味しいのが伝わってくるワッフルケーキ
- 絶対秘密をのぞきたくなっちゃうずるい流れ
- 扉の奥の「あまーい!」秘密
絶対美味しいのが伝わってくるワッフルケーキ
この絵本の最初の素敵ポイントは、美味しそうなワッフルケーキでしょう。
こんがりとした焼き色。
ふんわり感のある生地の厚み。
そして、なによりたっぷり詰まったクリームの濃厚そうな色合い。
フルーツや野菜の美味しさが、詰まっているのが色合いから伝わってくるのです。
特にクリームにした具の粒が残っているのがいい感じ。
滑らかさとごろッと感が味わえることでしょう。
そりゃ、子どもたちも食べたくなります。
「あー、おいしそう・・・」
「絶対、チョコレートがいい!」
「サツマイモいいな~」
と、心の叫びが聞こえてきます。
絶対秘密をのぞきたくなっちゃうずるい流れ
そんなワッフルケーキの作り方は企業秘密です。
扉の奥で、ワニのカップルが作ってきます。
「絶対に見ないでください」という言葉。
目の前にある開けちゃいけない扉。
中から聞こえる「ガシャン!」という気になる音・・・。
それは開けちゃいますよ。
この流れがずるい。
子どもたちも、
「気になる―!」
「機械で作ってるのかな?」
と、中を知りたくなってきます。
そして、開けてしまう動物たち。
「開けちゃダメって言われたのに!」
「あー約束やぶっちゃった!」
と、口では言いつつ目はキラキラワクワクしています。
この開けちゃダメな扉を開けてしまう流れも、この絵本のとてもおもしろいところです。
扉の奥の「あまーい!」秘密
さて、そんな扉の中では、思いもよらない方法でワッフルケーキが作られていました。
これは仲良しのワニのカップルだからこそできた「あまーい!」作り方。
見られて怒るのではなく、照れるのもかわいいところ。
ワッフルの模様の秘密がわかったり、二人の仲の良さがわかったりで、もっとワニッフルが好きになってしまいます。
そんなほっこりする結末も、この絵本のとても素敵なところです。
二言まとめ
ワッフルケーキのまさかの作り方に、びっくりしつつもほっこりする。
ワッフルケーキのあまりの美味しそうな絵に、今すぐワッフルケーキを食べたくなる絵本です。
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