はっけよーい(2歳~)

絵本

作:ケロポンズ 絵:いぬんこ 出版:ポプラ社

ネズミ、ニワトリ、クマと相撲をします。

目の前に迫る、大迫力な対戦相手。

その姿に、思わずはり手で応戦してしまう絵本です。

あらすじ

今日はみんなでお相撲です。

最初はネズミちゃん。

はっけよーい・・・のこった!

と同時に、はり手で迫るネズミちゃん。

でも・・・、「こてっ!」と倒れネズミくんの負け。

今度はニワトリくんと対戦です。

はっけよーい・・・のこった!

さっきよりも強そうなはり手が飛んできます。

ですが・・・「こけーっ!」と倒れ、ニワトリくんの負け。

次はクマちゃんとお相撲です。

はっけよーい・・・のこった!

力強いはり手が飛んできます。

さらに迫ってくるクマちゃん。

渾身のはり手が飛んできます。

だけど・・・「ごろ~ん!」と倒れ、クマちゃんの負け。

最後はみんなでお相撲です。

ネズミちゃん、ニワトリくん、クマちゃんの3人を一緒に相手にします。

力を合わせた3人を、打ち負かすことはできるのでしょうか?

『はっけよーい』の素敵なところ

  • 本当に組み合っているような迫力と臨場感
  • 体を動かして楽しむ遊び
  • 動物たちの必死の形相に、思わず力が入っちゃう

本当に組み合っているような迫力と臨場感

この絵本のとてもおもしろいところは、本当に相撲を取っているような感覚です。

自分は、一人称視点で土俵の上に立っています。

そこに現れる対戦相手。

「はっけよーい」と構える様は、まさに本当の相撲のようです。

そして、「のこった!」と同時に、一気に近づき、はり手をしてくる姿は迫力満点!

思わず手に汗握ります。

そこから、相手が倒れた時の、達成感と真剣勝負からの解放感がたまりません。

もちろん、あっぱれな倒れっぷりのおもしろさも忘れてはいけません。

気持ちいいくらい倒れてくれるので、子どもたちも大笑いです。

楽しく、本当に相撲を取っているかのような、大迫力の臨場感が味わえるのです。

体を動かして楽しむ遊び

この臨場感は、子どもの体を動かします。

目の前に迫るはり手。

応戦せずにはいられません。

気付けば自分も、手を前に突き出しています。

最初は手を前に出しているだけの、子どもたちのかわいいはり手。

ですが、クマちゃんあたりから様子が変わってきます。

はり手をしても簡単には倒れません。

それどころかさらに迫ってはり手をしてきます。

こうなってはやり返さないわけにはいきません。

さっきまで出していただけの手に、力がこもります。

ただのパーが、はり手へと進化するのです。

特に、3人一緒の対戦は、力の入り具合が尋常じゃありません。

体も前に来て、腰も浮いちゃいます。

絵本を読んでいるのか、相撲をしているのかよくわからなくなってきます。

ただ、確実にわかるのは、読み終わった後のやりきった感。

大人も子どもも、なんだか晴れやかな気持ちです。

動物たちの必死の形相に、思わず力が入っちゃう

さて、こんなにも力が入るのには秘密があります。

それは、動物たちの必死の形相。

目を見開き、歯をむき出して、汗が滴らせながら、鼻息まで吹き出します。

みんな、かわいさをかなぐり捨てて、本気のはり手をしてくるのです。

こんな顔で目の前に迫られたら、本気で返さないわけにはいきません。

理屈ではなく、本能的に力が入ってしまうのです。

だからこそ、こんなにも盛り上がり、全力で楽しめるのでしょう。

なにを言わずとも、全力で楽しめてしまうのも、この絵本のとても素敵なところです。

二言まとめ

本当に相撲を取っているかのような、迫力と臨場感に思わず体が動いてしまう。

読んだあとのやりきった感と、心地よい疲れがたまらない全力で遊べる絵本です。

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