作:鈴木まもる 出版:教育画劇
パトカー、消防車、クレーン車・・・。
子どもに人気の車が勢ぞろい。
そんな車を運転し、大活躍できちゃう夢のような絵本です。
あらすじ
男の子はレンタカー屋さん。
どんな車でも貸し出します。
そこへ、ネコが車を借りに来ました。
子どもたちが木から降りられなくなったからです。
男の子は、高所作業車で向かいます。
作業台に乗って、無事に高い木の上から、子ネコを救出できました。
次にやってきたのは園長先生。
焼き芋を焼くので、火事にならないか見ていて欲しいとのこと。
男の子は消防車で現場に向かいます。
焼き芋が終わった後に、放水して消火しました。
今度のお客さんは大勢です。
動物たちが車を借りにやってきました。
重たすぎて持ち上げられないものがあると言うのです。
そこでクレーン車の出動です。
動物たちが組み立てていたのはティラノサウルスの化石。
頭が重すぎて持ち上がらなかったみたい。
クレーン車で持ち上げて、頭を取り付けたら、化石の完成です。
お次はゾウさん。
レンタカー屋さんの仕事は続きます。
『くるまかします』の素敵なところ
- 子供に人気の車が大活躍
- わかりやすい「車貸してください」の繰り返し
- 自分が運転している気分になれる物語
子供に人気の車が大活躍
この絵本には、子どもが大好きなたくさんの車両が出てきます。
パトカー、消防車、救急車、クレーン車・・・。
車好きの子には、出てくるだけで大興奮。
「ピーポーだ!」
「消防車!」
「パトカーだよ!」
と、身を乗り出していました。
でも、出てくるだけではありません。
困りごとを解決するために、その機能を使って大活躍するのも、この絵本の醍醐味です。
しかも、その迫力がとてもすごい。
高所作業車では、絵本を縦にして作業台を伸ばし、木がとても高いことやそこへ届く高所作業車のすごさが伝わってきます。
パトカーや救急車は、他の車よりもスピード感がすごく、急行しているのが直感的にわかります。
そんな風に、それぞれの持ち味がとてもわかりやすく、かつ迫力満点にかっこよく描かれているのです。
わかりやすい「車貸してください」の繰り返し
また、物語がわかりやすい繰り返しで描かれているのも素敵なところです。
お客さんが車を借りに来る→事情を聞く→事情に合った車で出動→解決
という流れの繰り返しで進んでいきます。
そのため、小さな子にもわかりやすく、安心して車たちの活躍に集中できるのです。
さらに、流れが同じことで、「次は何の車だろう?」というワクワク感も生まれ、ページをめくるのが楽しくなります。
小さな子から大きな子まで、車の魅力に思い切り浸れるのも、この絵本のとても素敵なところです。
自分が運転している気分になれる物語
さて、この絵本にはまだ大きな魅力があります。
もしかしたら、これが一番大きな魅力かもしれません。
それは、自分が主人公になりきって、車を運転している気分になれることです。
この絵本はナレーションがなく、会話だけで進んでいきます。
男の子にも名前はなく「ぼく」と言う一人称しかでてきません。
なので、自分がお客さんと会話し、運転し、事件を解決しているような気分になれるのです。
それはまさに、ミニカーやブロックで作った乗り物で、子どもたちがやっていることと重なります。
そのなりきりが、より臨場感と迫力を持って、目の前で繰り広げられるのだから、熱くならないはずがありません。
男の子の服装が、乗り込む車に合わせて変わるのも盛り上がるポイントで、消防車に乗るときは消防士、救急車では救急隊員というように、よりなりきり度を上げてくれます。
大好きな車を運転し、なおかつ、その車で色々な事件を解決していく気分を味わえるのが、この絵本の一番素敵なところかもしれません。
二言まとめ
子どもたちに人気の車がどんどん出てきて、大迫力の活躍を目の前で見ることができる。
まるで、自分が主人公になり、車を運転しているような気分になれる絵本です。
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