作:いしかわこうじ 出版:偕成社
誰もが憧れる魔法の力。
物を大きくしたり、宙に浮かせたり・・・。
そんな魔法を目の前で見せてくれる仕掛け絵本です。
あらすじ
魔法使いのコジモが魔法を見せてくれることになった。
まずは、テーブルに置いたリンゴに大きくなる魔法をかけます。
「でかでかどーん!」と呪文を唱えると・・・
リンゴがとんでもない大きさになりました。
今度は、男の子の持っている風船に魔法をかけます。
「ぷかぷかふわりーん!」と呪文を唱えると・・・
風船が大きくなり、男の子の体も宙にふわりと浮き上がりました。
次はサラサラ髪の女の子にパーマになる魔法をかけます。
「もじゃもじゃぼわわーん!」と呪文を唱えると・・・
女の子の髪がふわふわのパーマになりました。
お次の魔法はヒヨコにかける魔法です。
一体どんな魔法なのでしょう?
魔法使いの魔法はまだまだたくさんあるようです。
『まほうつかい』の素敵なところ
- 本当に魔法がかかったような楽しい仕掛け
- シンプルで盛り上がる魔法たち
- 言いたくなっちゃう魔法の呪文
本当に魔法がかかったような楽しい仕掛け
この絵本のなによりおもしろいところは、魔法の仕掛けです。
呪文を唱え、折りたたんだページを開くとあら不思議。
本当に魔法がかかったように、リンゴが大きくなったり、風船が膨らんで空に飛んでいったり。
まるで、本物の魔法使いが目の前にいるようなのです。
開き方も、横に開くものや、上に開くものなど、魔法の種類によって様々です。
上に行ったり、横に行ったりする、視覚的な楽しさもこの絵本の素敵なところ。
まさに常識を覆す魔法の楽しさが表現されているのです。
シンプルで盛り上がる魔法たち
また、その魔法がとてもシンプルなのおもしろいところです。
大きくなったり、飛ばないものが飛んだり、伸びたり・・・
魔法使いの使う魔法はどれも、シンプルかつ派手なものばかりです。
そして、シンプルゆえに、小さい子から大きな子まで純粋に楽しい驚きを味わえます。
これは、仕掛けを使って、
大きくなるものはもの凄く大きく、
伸びるものはもの凄く長く、
というように、思い切りわかりやすくしているからでしょう。
子どもたちも、
「うわっ!こんなでかくなった!」
「髪の毛爆発した~!」
「長すぎじゃない!?」
など、単純に驚きの声を上げ、目の前で飛び交う魔法に、みんなで笑いながら盛り上がっていました。
このシンプルでわかりやすい驚きとおもしろさも、この絵本のとても素敵なところです。
言いたくなっちゃう魔法の呪文
さらに、魔法をかける時の呪文にも楽しさが詰まっています。
「でかでかどーん!」
「ぷかぷかふわりーん!」
と、どんな呪文かわかりやすく、かつ語呂がよくて言いたくなってしまうのです。
この絵本を見ていると、見ながら一緒に呪文を言ったり、見終わった後に色んなものに魔法をかけてみたりと、自分でも魔法をかけてみたくなってきます。
擬音語などを使う直感的なものも多く、年中・年長くらいになると、自分で呪文を考え出して魔法をかけたりするのもおもしろいところ。
わかりやすいからこそ、真似したくなったり、発展させたくなったりするのでしょう。
この呪文の楽しさも、とてもおもしろく素敵なところです。
二言まとめ
魔法使いの使う魔法が仕掛けによって、本当に目の前で起こっているように見える。
読めば、自分も魔法を使ってみたくなる仕掛け絵本です。
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