作:石崎なおこ 絵:田中大六 出版:教育画劇
ご飯を乗せた列車が来る晩ごはん駅。
必要なものは空のお椀やお皿だけ。
今日の晩ごはんは、晩ごはん駅に行きませんか?
あらすじ
お父さんは、仕事帰りに晩ごはん駅のチラシをもらってきました。
ある日の晩ごはんの時間、その晩ごはん駅に行ってみることに。
お父さんと、お母さん、男の子のゆうくんと、ネコのタマ。
四人で、晩ごはん駅に向かいます。
持っていくものは、トレーと空の食器だけです。
しばらく歩くと、晩ごはん駅に着きました。
見た目はとっても普通の駅です。
中に入ると、駅長さんが案内してくれ、1番線で列車が来るのを待つように言われました。
そして、到着した列車は炊飯器列車。
号車ごとに、白米、ワカメご飯、マツタケご飯、お赤飯、鳥ごぼうご飯と中身が違い、好きなものをお茶碗によそいます。
次にやってきたのはお鍋列車。
みそ汁やスープが入っています。
さらにやってきたのはフライパン列車。
ハンバーグに、マグロステーキ、野菜炒め、オムレツ、餃子とどれもいい匂いで美味しそう。
その次に来たのは、サラダボウル列車。
号車ごとに違う野菜が載っていて、好きなものを好きなだけ盛り付けることができます。
順番にお皿に盛っていき、いよいよ空のお皿はあと一つ。
最後の列車は2番線に来るのだと、駅長さんが教えてくれます。
その2番線があるのは、なんと地下。
長い階段をどんどん下っていくと・・・。
最後の一品の載せた列車とは?
『ばんごはんえき』の素敵なところ
- 自分で選べる晩ごはん列車
- 料理がどれも美味しそう
- 晩ごはんが完成した後も楽しい晩ごはん駅
自分で選べる晩ごはん列車
この絵本の一番の魅力はなんといっても、自分の食べたいものを自由に選べる楽しさでしょう。
そもそも、食べたいものを自分で選んで、自分だけのご飯を作れるだけでも楽しすぎてテンションがあがるのに、そこに列車がくっついてしまったら楽しさが爆発しない訳がありません。
号車ごとに違うものが入っている不思議さ。
そこから好きなように選んで組合わせる楽しさ。
どれも美味しそうなのに、選ばないといけない悩ましさ。
次はどんな列車が来て、どんなメニューが載っているんだろうというワクワク感。
それらが混ざり合って、この絵本ならではの魅力が溢れだしているのです。
子どもたちも、
「炊飯器が列車になってる!」
「自分で選べるの!?」
「次の列車なにかな?」
と驚いたりワクワクしつつ、真剣な顔でどれを選ぶか悩んでいました。
手元に透明のトレーと食器を持ち、選んだ号車から自分の食器に盛り付ける姿に、心の底から楽しんでいるんだなあと感じます。
料理がどれも美味しそう
また、出てくるご飯がどれも美味しそうなのも物凄い魅力です。
どれもこれも「そりゃ悩むよね」というくらい美味しそうなのです。
欲を言えば、選ばずに全部食べたいくらい。
けれど選ばないといけないからこそ、子どもたちは真剣に悩んでいたのでしょう。
特に、主菜を乗せたフライパン列車と最後の列車は特に悩むところ。
どちらの列車も、美味しそうすぎて、列車がホームに到着したとたん「わ~」「おいしそ~」と心からの感嘆の声が上がるほど。
フライパン列車は目の前で焼いているかのような出来立て感で、熱々ジューシーなのがこれでもかと伝わってきて、よだれが出そうに・・・。
最後の列車は、見ているだけで楽しめてしまうくらいきらびやか。ぜひ、どれも一口ずつ味見させてほしいところです。
こんな風に、真剣に悩んでしまうほど、どれもが美味しそうなのも、この絵本のとても魅力的なところです。
晩ごはんが完成した後も楽しい晩ごはん駅
さて、そんなこんなでお皿が全部埋まり、完成した晩ごはん。
でも、晩ごはん駅は完成して終わりではありません。
食べる所までお楽しみが待っています。
これには子どもたちもびっくりで、
「ここで食べられるの!?」
「いいな~、ピクニックみたい!」
と口々に言っていました。
ご飯を作るだけでなく、食べ終わる最後まで、サプライズとお楽しみを忘れないところも、晩ごはん駅の素敵なところです。
二言まとめ
列車に載ったご飯から、好きなものを選んで自分だけの晩ごはんを作ることができる。
どれも美味しそうすぎて、それを選ぶか真剣に悩んでしまう絵本です。
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