作:ふくながじゅんぺい 出版:交通新聞社
最初は真っ黒ないろいろれっしゃ。
でも、走る場所によっていろんな色に変わります。
次々変わっていく色がきれいで楽しい絵本です。
あらすじ
車庫から真っ黒ないろいろれっしゃが出発します。
風が気持ちいい野原を走って行くと・・・。
車体が緑色に変身!
緑の列車になりました。
次はいい匂いの花畑を進んでいきます。
すると・・・。
車体が真っ赤に変身!
赤色列車になりました。
走っていると空から雨が・・・。
すると、車体が青色に変身!
青色列車になりました。
しばらくすると雨がやみ、お日さまが顔を出しました。
お日さまに照らされて、いろいろれっしゃは・・・?
『いろいろれっしゃ』の素敵なところ
- 次々と変わっていく鮮やかな色
- 自然の心地よさが伝わる文章
- こっそり長くなっていく列車
次々と変わっていく鮮やかな色
この絵本のなによりも楽しいのは、次々に変わっていく列車の色でしょう。
走る場所によって変わっていく列車の色。
ページをめくった時の、全く違う列車の色に子どもたちも大喜び。
「赤!」「緑!」と、声をそろえて驚いたり、指さしたりと楽しそう。
単純に、色が次々変わっていくだけで楽しいのです。
また、列車がページの中で大きく描かれているのもポイントで、見開きページの半分以上は変わった色になっています。
そのおかげで、次のページを開いた時に、一目で「さっきまでと違う」がわかり、より色が変わった楽しさが感じられるのです。
自然の心地よさが伝わる文章
このように、色が変わるだけでも楽しいいろいろれっしゃ。
ですが、それだけじゃなく、色々なところを走る心地よさが味わえるのも素敵なところなんです。
野原を走る時は「野原の風が気持ちいい。そよそよ、さわさわ、ひゅるるるる~」。
花畑を走る時は「お花畑が見えてきた。ふわり、ふわふわ、いい匂い」。
というように、野原の爽やかさや、花畑のいい匂い、雨が降る雨音など、自然の心地よさを感じられる文章になっているのです。
まるで、いろいろなところを散歩しているみたい。
いろいろな色を楽しみながらも、風や、花や、お日さまなどの心地よさも一緒に味わえる旅感もとても素敵なところです。
こっそり長くなっていく列車
さて、色の変化に目が行きがちないろいろれっしゃですが、実は他のところも変化しています。
それが引いている車両の数。
最初は先頭車両だけの一両編成で出発します。
ですが、色が変わるごとに、車両が増えているのです。
最初は少しずつなので気づかない子も多いのですが、中盤くらいになるとページの端から端まで届く程長くなっています。
そこで「あれ?」と気付く子が。
「なんか長くなってるよ!」
と声が上がり、みんなびっくり。
見返してみると、色が変わるごとに徐々に長くなっていて、
「色だけじゃなくて、長くなってたんだ!」
とさらにびっくり。
なにも言わずこっそり伸びているところも、この絵本の素敵でにくい演出です。
二言まとめ
ページをめくるごとに、鮮やかに変わる列車の色がきれいで楽しい。
さらに、いろいろれっしゃと、色んな所を走るのが心地よくて気持ちのいい絵本です。
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